「長い滑走路」をどこに確保するか
米側「沖縄県内」
外務省「沖縄県外」
防衛省「決まっていない」
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「返還」条件である、「長い滑走路」をめぐり、米国防総省と日本の防衛省・外務省の間で重大な食い違いが存在していることが分かりました。
防衛省は、普天間基地の「代替施設」として、名護市辺野古の米軍新基地建設を強行していますが、米政府監査院(GAO)は2017年4月、辺野古新基地の滑走路は短く緊急時の任務に対応できないため、沖縄県内で別の長い滑走路を要求しました。
米国防総省は昨年9月、GAOの見解に「同意」するとした回答を提出。辺野古とは別の長い滑走路の「選定が終わるまで普天間基地は返還されない」と明記し、沖縄県内に長い滑走路の確保を求めました。
一方、外務省が昨年8月、国連人種差別撤廃委員会の情報提供要請に対する回答で、普天間基地「返還」に関し、「緊急時における航空機の受け入れ機能」を県外に移転すると明記していたことが分かりました。受け入れ先は「調整中」としています。米側文書には、普天間基地は有事に最大300機が来援するとしており、大規模な航空機能が求められます。こうした機能を「沖縄県内に確保する」とした米側見解と明らかに異なっています。
外務省見解に関して、防衛省は本紙の取材に、「実際に緊急事態が発生した際における事態に応じた臨機の対応であり、現時点で具体的な内容を定めることは困難」だと回答。「県外」「県内」とも決まっていないとの見解を示しました。
小泉進次郎防衛相は24日の記者会見で、「長い滑走路」が確保されなくても、「普天間飛行場が返還されないということは全くない」と主張しました。しかし、米側・外務省・防衛省三者の見解がバラバラな状況で何の説得力もありません。
そもそも、大前提である辺野古新基地建設は軟弱地盤の工事で工期が大幅に遅れており、最深90メートルに達する地点の地盤改良は、現在の施工技術では不可能です。完成し得ない基地を「返還」条件にしている限り、普天間基地は永久に返還されません。

