「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)は22日、東京・有楽町のイトシア前で、「信じられる未来へ 希望の新しい選択肢」と題した市民と野党の共同街宣を行いました。市民連合代表と、日本共産党、立憲民主党、社会民主党、新社会党の代表がそれぞれ登壇し、憲法9条改定や「スパイ防止法」制定を進める危険な高市政権に力を合わせて対抗しようと多くの参加者に訴えました。日曜日午後の繁華街に設置されたステージを囲んだ参加者は何重にも膨れ上がり、主催者発表で1000人が集結。高市政権とたたかうには「市民と野党の共同こそ」と意気高く声をあげました。
(写真)野党各党代表の発言に拍手を送る人たち=22日、東京都千代田区
悔しさ力に変え大反撃始めよう
最初にマイクを握ったのは市民連合の菱山南帆子共同代表。総選挙結果を受け、「私たちがここでくじけたら、本当に戦争と独裁の波に一気に引き込まれてしまう」と警鐘を鳴らし、「状況の打開は市民運動」「悔しさを力に変え、市民の大反撃を開始しよう」とよびかけました。菱山氏は、戦後一番危険な状況になっているなかで、「戦争にしないための現実的な道は憲法に自衛隊を明記することではない」と主張。「平和憲法を生かして平和外交を推し進めることだ」「これからの時代は市民と野党の平和外交、一緒に進めていこう。信じられる未来はここにある」と宣言すると、沸き起こる拍手と声援が送られました。
戦争は人権侵害 「準備」止めよう
(写真)菱山南帆子市民連合共同代表
(写真)福島みずほ社民党党首
(写真)岡崎ひろみ新社会党委員長
(写真)石垣のりこ立憲民主党参院議員
(写真)高良さちか「沖縄の風」幹事長
(写真)佐々木寛市民連合共同代表・新潟国際情報大学教授
並んだ野党各党の代表は全員女性。社民党の福島みずほ党首が「信じられる未来は市民の中にあり、野党と市民の連携にある。みなさんどうですか」と問いかけると、聴衆から「そうだ」の声が返りました。
力強い聴衆の反響をうけた福島氏は、「私たちがめざすのはすべての人が恐怖と絶望から逃れ平和的に生存できる社会、生存権が保障され平和に生きられる社会だ。一緒につくっていこう」「戦争はだれが考えても最大の人権侵害で最大の環境破壊。戦争は絶対にやってはいけない。そんな政治をめざしていこう」と訴えました。
さらに、「戦争はある日、突然来るようにみえるけど、その前に準備がある」と指摘し、軍拡や改憲、排外主義、「スパイ防止法」の危険性を告発。「国会に提出させないためにがんばっていこう」と訴えました。
平和守るために手をつながねば
「福島さん、(共産党の)田村智子さんと、昨年暮れから、手をつながないとだめ、平和のための運動はかならず一緒にやるんだと約束して動いている」と切り出した新社会党の岡崎ひろみ委員長は「私たちがいま手にしている憲法は、おかしいと思うことを言っていいと保障している」と強調。「私たちがこれからやっていくこと。それは、平和憲法を暮らしのなかに生かす運動です。それを、押して、押して、押して、押して、押しまくろう」「あっちこっちでこの声を広げていこう。一緒に運動していこう」とよびかけました。
憲法守ってるか態度が問われる
地元・仙台からかけつけた立憲民主党の石垣のりこ参院議員は「野党共闘で国会に送っていただいている。みなさんに大きな力をお借りしました」と感謝を表明。「ここに集まったみなさんが戦争反対を掲げ、市民と野党の共闘で私たちの暮らしを守っていこう、生活を守っていこうという思いは全く何一つぶれるところはない」と述べると、大きな拍手が沸き起こりました。
「憲法をきちんと守っているかどうかということが問われているが、それをうやむやにしたまま憲法改正ばかりを目的のようにする高市政権に非常な危機感をもっている」「自民党を中心とした政治が行ってきたことに対して、しっかりと否というふうに、私たちは唱え、心を合わせ、ともにたたかっていきたい」と力を込めました。
後出し争点まで任せてはいない
参院会派「沖縄の風」の高良さちか幹事長のメッセージが読み上げられました。高良氏は、高市早苗首相の施政方針演説には、改憲や皇室典範の改正など衆院選の争点になっていないものが盛り込まれていると指摘。米国防総省は沖縄県の米軍辺野古新基地ができても普天間基地を返還しないとの見解を示したことに言及し、対米従属の日本政府を批判。「高市さんを信じて自民党に投票してしまった方も含め、こんなことまで任していない、強行するなとの声をあげよう」と訴えました。
政治の生産者へ 街角から再構築
「登壇したのはおじさんの私を除き全員女性。新しい可能性を感じます」と語り始めた佐々木寛共同代表(新潟国際情報大学教授)は、市民連合の活動は2015年の国会での安保法制強行時に始まり、市民と野党の共闘で24年の衆院選と25年の参院選で自公与党は少数派になったと指摘。「信じられる未来は誰かに与えられるものではない。既存のメニューから単なる消費者として選ぶだけでは、直面している危機を克服することはできない。政治の生産者となる必要がある」と説き、「私たち市民連合は今後、既存の組織や政党の垣根を越えた対話をしながら、本当に信じるに足る未来を地域から街角から再構築していきたい」と決意を語りました。
参加者の熱気は共同街宣終了後も収まらず、田村、福島両氏ら政党代表には、握手や記念撮影を求める参加者が相次ぎました。

