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2026年2月25日

主張

高額療養費制改悪
いのちを削る負担増は撤回を

 高額療養費制度の負担上限引き上げを盛り込んだ来年度予算案の審議が国会で始まります。同制度は、大きな病気やケガで高額な医療費がかかった際に負担を一定に抑えるもので、長期の治療を要する患者・家族の「命綱」ですが、改悪に法改正は必要なく、実施させない闘いが重要です。

 石破茂政権は2024年末に、負担上限を最大1・7倍も引き上げる改悪案をまとめ25年8月から実施する計画でした。しかし、患者団体はじめ国民の反対の声と、少数与党の状況の中で異例の全面“凍結”に追い込まれました。

 凍結ではなく撤回が必要です。しかし厚労省は「当事者の声を聞く」として、昨年5月に患者団体代表も加えた専門委員会を設け、見直しを検討してきました。

■声聞くとしながら

 重大なのは、「当事者の声を聞く」と約束しながら、専門委員会では引き上げ額など具体案の検討がされなかったことです。明らかにされたのは、昨年12月末の厚労・財務両相の「大臣合意」でした。

 今年8月と来年8月の2段階で、所得に応じて70歳未満では7~38%引き上げます。年収700万円の人は、現在の月額約8万円から約11万円と38%増になります。

 70歳以上の人の高額な外来医療費に上限を設ける「外来特例」では、年収200万~370万円の人は、現在の月額1万8千円が2万8千円と55%もの負担増になります。

 国民の強い批判で、石破政権時の改悪案に比べれば一定抑制したとはいえ、そもそも現行でも負担は重く、長期療養の患者は、生活や子どもの将来への備えと治療継続の間で不安を抱えギリギリの状況にあります。複数の専門委員からも負担は引き下げるべきだとの意見が出ています。

 政府は最終的に年間2450億円の医療費削減を見込み、その44%が受診抑制による削減額です。がんなどの人が治療を控えれば命に直結します。どんな理由でも正当化できません。“命の沙汰も金次第”の社会であってはなりません。

■首相は言明を守れ

 大臣合意を受けて、全がん連などの患者団体は、月ごとの限度額が「十分に抑制されていない」として「治療断念や生活破綻につながることがないように更なる抑制」の検討を求めました。しかし、来年度予算案には大臣合意の案がそのまま入っています。

 見直し案には、年間3回以上の適用を受ける多数回該当者の負担額の据え置きや年間上限額の新設などの配慮も含まれます。ただ現在の制度利用者の8割は多数回該当に当てはまる長期療養者ではなく、多くが負担増となります。

 高市早苗首相は昨秋の自民党総裁選では「引き上げるべきではない」としていました。その言明を守るべきです。

 政府は、少子化対策の財源に充てる「支援金」を4月から医療保険料に上乗せします。そのままだと保険料が上がるので医療費を削ろうとしており、高額療養費の改悪もその一つです。子育て支援と命を守る制度を対立させるべきではありません。大軍拡をやめ、社会保障費を抜本増額することこそ必要です。