自民党と日本維新の会が連立政権の合意書に、2026年の通常国会で制定することを盛り込んだ「日本国国章損壊罪」(国旗損壊罪)について、札幌弁護士会(岸田洋輔会長)と広島弁護士会(藤川和俊会長)が反対する会長声明を発表しました。
「国旗損壊罪」を巡っては参政党が昨年10月に、日本を侮辱する目的で国旗を損壊する行為を罰する刑法改定案を提出しています。
両声明は「憲法19条の保障する思想及び良心の自由及び憲法21条の保障する表現の自由に対する重大な侵害となることに加え、憲法31条の罪刑法定主義にも反するものであり、違憲である」(札幌弁護士会)と、違憲性を指摘しています。
声明では、高市早苗首相が「国旗に対して多くの国民が抱く尊重の念を害するもの」(21年のコラム)などと述べていることに言及。
両声明は、アメリカの連邦最高裁が「国旗冒とくを罰することは、この象徴的存在をかくも崇敬され、また尊敬に値するものとせしめている自由を弱体化させる」として、州法による国旗損壊行為への処罰を違憲とした判決を紹介しています。
広島弁護士会は「国家の名誉的な利益については、刑罰をもって維持されるものではない。(中略)他人が所有する国旗等の国章を損壊する行為については、現行刑法の器物損壊罪や業務妨害罪などによる規定がすでに存在するため、新たに刑事罰を創設する必要性もない」と強調しています。さらに、国旗損壊罪に当たる要件が主観的なものであり、「『多数者にとって好ましくない』意見や思想の弾圧に恣意(しい)的に運用されるおそれがある」(札幌弁護士会)と指摘しています。「(軍国主義の象徴として用いられた)歴史的経緯を持つ日の丸をあえて日本国国旗として定めた以上、日の丸に対する批判的表現活動には特に寛容でなければならない」(同)としています。

