(写真)井原聡さん
戦争する国づくりの法整備というところでは、戦前の戦時立法にも近づいているのではないかと感じています。
高市政権が意欲を示している「スパイ防止法案」は戦時立法に近づけるための市民監視。これが高市首相が最初にやろうとしていることだと思います。戦前日本の治安維持法から始まる歴史を振り返ることが大事です。繰り返してはならないと思います。今の日本にもスパイを摘発するような法律はたくさんあるんです。ではなぜつくるのか。実際には日米軍のシームレスと同レベルの、秘密保持の米国からの強力な要請があって、「スパイ防止法」があると思います。
能動的サイバー防御法は結論的には、通信の秘密侵害、先制攻撃の合法化、市民監視の体制づくりという性格を持っています。
軍事に浸食される学術研究の現状は深刻です。日本学術会議の独法化にかかわって、学術の世界は、軍事研究に取り込まれ始めたという状況になっています。防衛省がかかわる研究に多数の大学がかかわっています。
日本版軍産学複合体のようなものは、まだ、それぞれが連携している段階です。一方で、防衛省には防衛イノベーション科学技術研究所があります。これはアメリカ国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)という研究所をまねたものです。もうすでにアメリカと具体的な研究が進んでいます。防衛省の安全保障技術研究推進制度等が入ったことで大学などもかかわってきています。
日本とドイツの物理学会が、2025年11月14日に、声明を出しました。人類の福祉のために、研究をすべきだと若い方に呼びかけた内容です。学問と社会のかかわりの大事な点を指摘していると思います。

