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2026年2月20日

きょうの潮流

 ほんのりと甘い梅の香りに誘われ、名所の小石川後楽園まで足を延ばしました。ここには45品種、150本ほどの梅の木があり、毎年この時期には梅まつりが開かれています▼寒風にゆれる花々。なかには、鮮やかな紅色に彩られた「開運」という縁起の良い名前の木や、同じ幹から紅白に咲き分ける「思いのまま」という遅咲きの品種も。澄んだ青空のもと、多くの人が梅林を囲んで華やかな花をめでていました▼ここは江戸の初期に水戸徳川家の初代藩主、徳川頼房が築造し、2代目の光圀が完成させた庭園。江戸の大名庭園としては現存する最古のもので、当時日本に亡命していた明の朱舜水(しゅ・しゅんすい)の意見を光圀がとりいれ、中国の風物も配しています▼四季折々の自然や風景が楽しめる都会では貴重な場所ですが、後楽園や東京ドームがあるこの一体は巨大な軍需工場地帯でもありました。明治期に収容され、陸軍の砲兵工科学校や東京砲兵工廠(こうしょう)がつくられ、庭園の中には工廠跡の記念碑も建てられています▼隣接の東京ドームにも砲兵工廠の基礎レンガが展示され、戦没した野球人を追悼する碑が残されています。人びとが集い、憩う場にも刻まれる戦争の痕跡。知るほどに、平和への思いがいっそう募ります▼春告草(はるつげぐさ)とも呼ばれる梅の開花は、昔から寒さの中に春の訪れを感じさせてきました。〈しら梅に明る夜ばかりとなりにけり〉。蕪村の辞世の句の一つです。咲きはじめる白梅と、しらじらと明けていく空。そこに希望の光をみるように。