日本共産党の田村智子委員長が18日、特別国会開会にあたって開かれた党国会議員団総会で行ったあいさつは次の通りです。
(写真)あいさつする田村智子委員長=18日、衆院第1議員会館
総選挙での衆参議員の皆さん、事務局の皆さんの奮闘に心からの敬意を表します。比例南関東ブロックで志位和夫議長からバトンを受けて、畑野君枝さんが衆議院に戻ってこられました。心から歓迎いたします。(大きな拍手)
総選挙の結果は、大変厳しいものであり、党内外のみなさんの意見をお聞きして自己検討を深め、第8回中央委員会総会で、その総括と教訓を明らかにしたいと思います。
議席に届かなかった前議員、元議員の皆さんと直接お話をしましたが、どなたも、地域から要求の運動をおこしていきたい、若い世代の中に党をつくりたいと決意を語っておられました。連携して地域の要求実現に取り組みたいと思いますし、とりわけ沖縄については、辺野古新基地建設をはじめとする米軍基地問題や沖縄の軍事要塞(ようさい)化など、赤嶺政賢さんをはじめ、沖縄の皆さんと緊密に連携をとって、党議員団としてしっかり取り組んでいくことを報告いたします。(拍手)
議席が後退したもとでも、いかに国民の声や運動を国政につなぎ、その実現のためにたたかうか、議員団と事務局みんなで知恵と力を発揮して、委員会での奮闘はもとより、質問主意書の効果的な活用など、新たな取り組みにも挑戦し、何よりも院外の国民運動との連帯を強め、団結して意気高くたたかうことを、心からよびかけたいと思います。(拍手)
「戦争国家づくり」の戦後かつてない危険--いま日本共産党ががんばらずしてどうするか
総選挙の結果、自民党と維新の会が衆議院の3分の2を大きく超える議席を占め、憲法9条改悪をはじめ「戦争国家づくり」を進めるという点で、戦後かつてない危険な状況が生まれています。
高市首相は、9日の会見で、憲法改正への意欲を示し、「少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われるよう環境をつくっていく」と述べました。国民投票にまで踏み込んだ発言は初めてのことです。
しかし改憲のための国民投票など、選挙中に一言も言わなかったことであり、国民はこんなことに白紙委任を与えていません(「そうだ」の声)。選挙後の世論調査でも、政府に期待する政策のなかで憲法改正をあげる人は極めて少なく、3~4%にすぎません。「クーデター」的手法で解散・総選挙を行い、衆議院で多数の議席を獲得したからと、憲法9条改悪をはじめ改憲へと突き進むなど、あまりにも乱暴な民主主義破壊の暴走政治そのものであり、断じて許すわけにはいきません。(「そうだ」の声)
他の多くの政党は、9条改憲を含め、高市政権に協力・迎合する姿勢を示しており、高市政権に真っ向から立ち向かう日本共産党の役割は文字どおりかけがえないものであり、それを存分に発揮していこうではありませんか。(拍手)
総選挙後、党中央への「しんぶん赤旗」の購読申し込みは1900人を超えました。その半数が30代以下、約8割が50代以下で、コメント欄には、改憲をはじめ政治の右傾化への危機感、自分にできることをやりたい、そして日本共産党にがんばってほしいという思いがあふれています。
いま、日本共産党ががんばらずしてどうするか、私も奮い立っています。国会論戦とともに、大軍拡、非核三原則の見直し、武器輸出の全面解禁、長射程ミサイル配備、「スパイ防止法」制定の策動など「戦争国家づくり」を許さない運動を、そして憲法9条を守り生かせの運動を、草の根からおこし広げていこうではありませんか。(拍手)
2月22日には、市民連合の主催で「希望の新しい選択肢――市民と野党の共同アクション」が行われます。社民党、新社会党、日本共産党などで取り組んできた「憲法を真ん中に据えた確かな共同」をさらに広げ、国会内外で高市政権の強権政治に立ち向かう共同をつくり広げるために全力を尽くす、この決意を表明するものです。(拍手)
大幅賃上げと労働時間短縮・消費税減税--多様な運動に連帯して実現を迫ろう
暮らしにかかわっては、“「富の一極集中」をただし大幅賃上げと労働時間短縮を”、“タックス・ザ・リッチ(富める者に課税を)で消費税減税を”という、私たちが掲げた公約の実現が、いよいよ求められています。また、「医療・介護など社会保障の充実」「大学学費の値上げを止めて値下げへ」なども、切実な要求となっています。ここでも、論戦とともに、労働運動、多様な要求運動に連帯して、世論と運動を広げ、実現を迫りましょう。
高市首相は、選挙前には「悲願」と言いながら、消費税減税を国民会議の検討に丸投げしようとしています。自民党が圧倒的多数の議席をもちながら、なぜ自ら法案を提出しようとしないのか、なぜ来年度予算案に盛り込もうとしないのか、厳しく問わなければなりません。また、昨年の予算審議で大問題となり凍結したはずの高額療養費の負担増が、来年度予算案に盛り込まれ、今後2年ごとに負担増の対象や額を増やすことが狙われています。OTC類似薬の患者負担も増やそうとしています。年金は4年連続の実質減額。国立大学の授業料値上げが相次ぐなか、これを止めるどころか、文科省が定める標準額の見直しで学費値上げを推進しようとしています。さらには、来年度予算案には、大軍拡の財源に所得税増税分をあてようという軍拡増税まで盛り込まれています。
さらに統一協会との癒着、政治とカネの問題など、予算委員会で審議されるべき課題は山積みです。ところが高市政権と与党は、予算案の「年度内の成立」を主張し、予算委員会の審議を大幅に短縮しようとしています。通常国会の冒頭解散で論戦から逃げ、選挙が終わっても予算委員会での論戦を回避するなど断じて許されません(「そうだ」の声)。十分な時間をとった予算審議、国民の要求に応える政策の実現を強く求めるものです。
高市政権の土台はもろくて弱い--国民要求との矛盾は明らか
高市政権は、小選挙区制による民意の切り捨てによって、圧倒的多数の議席を占めましたが、多くの国民との関係で、深い矛盾を幾重にも抱えており、その土台はもろくて弱い――このことを強調したいと思います。
物価高騰から暮らしを守るどころか、「責任ある積極財政」だと言って赤字国債の大量発行で異常円安をもたらし物価高騰に拍車をかけている、労働時間短縮どころか過労死を引き起こす裁量労働制のさらなる拡大をもくろむ、選択的夫婦別姓も同性婚も実現を阻む――国民の要求との矛盾が広がっていくことは明らかです。
アメリカ・トランプ政権が、「法の支配」を投げ捨て「力の支配」に突き進み、無法をほしいままにしています。ベネズエラ侵略、グリーンランド領有の要求、キューバに対する燃料供給の封鎖――どれもこれも国連憲章と国際法を無視した行動であり、絶対に許すわけにいきません。G7(主要7カ国)諸国も含めて国際社会からの批判の声が高まっているのに、高市政権がこれらに対して一言も批判ができないまま、大軍拡の暴走を行っていることは、深刻な矛盾であり、重大な危険であることを厳しく指摘したいと思います。
日中関係も、自らの「台湾発言」で最悪の状態にしながら、中国との対立をあおって大軍拡の口実にし、両国関係の打開の展望を自ら破り捨てる深刻な事態をつくりだしています。
「財界中心」「アメリカ言いなり」という自民党政治の「二つのゆがみ」と国民の要求との矛盾が臨界点に達している、ここに確信を持って、自民党政治を変える党として、国民の要求に応える対案、新しい政治への展望を大いに示していこうではありませんか。(拍手)
質量ともに大きな党をつくる先頭に議員団が立とう
最後に、質量ともに大きな党をつくる先頭に、党議員団が立つことをよびかけます。昨日、常任幹部会の訴えとして、(1)対話と要求運動に打って出る(2)2、3月から、党員拡大と「しんぶん赤旗」読者拡大で前進を(3)「Q&A資本論」の学習運動を――とよびかけました。来年1月の第30回党大会の成功、そして来春の統一地方選挙に勝利するためにも、三つの課題にただちに取り組むことが求められています。
この訴えに全国から、ストリート対話をやっている、あるいはやりたい、選挙ボランティアに入党を働きかけている、「赤本」「青本」の学習が突然の総選挙に立ち上がる力になった、さらに「緑本」に取り組みたいなど、前を向いてがんばる決意や感想がたくさんよせられています。
これから長丁場の特別国会での論戦が始まります。与党が圧倒的多数の国会で高市政権の強権政治を許さないたたかいも求められます。党議員団のがんばりをおおいに党内にも有権者にも知らせ、党づくりにつなげていきましょう。また私たちの論戦の土台である科学的社会主義の理論を学び語ることに大いに挑戦し、大局的な社会変革の確信がみなぎる党をつくろうではありませんか。心からよびかけ、私も先頭に立って奮闘する決意を申し上げ、あいさつといたします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)

