自民党圧勝の総選挙を受けて、特別国会がきょう召集されます。首相指名を経て、新内閣が発足した後、ただちに2026年度予算案の審議が行われます。
自民党は総選挙で316議席を獲得。一つの政党が衆院で3分の2(310議席)以上を占有したのは戦後初です。世論調査(「朝日」)では、自民党が3分の2を超す議席を得たことに対して「多すぎる」と回答した人が62%で、自民党が数の力で予算案や重要法案を強行することに慎重な見方が示されました。
巨大与党となった高市早苗政権に対して十分なチェック機能を果たし、対抗軸を示す論戦をするという国会の役割、民主主義のあり方が問われます。
■振りかざす数の力
「年度内成立をあきらめていない」―。高市首相は26年度予算案について、3月末までの成立も視野に審議を迅速に進めるよう指示しました。予算案の審議入りは総選挙の影響で例年より1カ月遅れる見通しで、年度内成立はほぼ不可能です。
しかし、高市首相の指示を受け、与党は予算審議の時間を削ることまで検討。野党にも割り当てるのが慣例の委員長ポストも与党中心に配分するよう求めるなど、数の力を振りかざし、早くも強引な国会運営に乗り出しています。
高市首相は総選挙後の記者会見でも「重要な政策転換については、自民党の政権公約に盛り込んだ。国民の信任をもらった」(9日)と主張。安保3文書改定、9条改憲など極右タカ派路線の政策を次々と打ち出しています。高市首相が意欲を示す「スパイ防止法」は今夏にも有識者会議を設置する方向と報じられるなど、すでに前のめりです。また、「責任ある積極財政」の名のもと、大企業へのばらまき、軍事費拡大を続ける一方、社会保障の切り捨ても狙われています。
しかし、高市首相は総選挙で「重要な政策転換」の具体的な中身は語っていません。自民党は3分の2を超える議席を得たものの、比例得票率は36・7%しかありません。大政党に有利な選挙制度によって生まれた「虚構の多数」にすぎず、とても「信任を得た」とはいえません。
■対抗軸を示す重み
高市政権の危険な暴走の「アクセル役」を日本維新の会がかってでるなか、与党内では異論や批判を封じ込める圧力が強まっています。それだけに、「戦争国家」づくりと大企業だけを優先する経済政策への抜本的対案を示す野党の存在が重要です。
しかし、国民民主党、参政党、チームみらいだけでなく、中道改革連合も自民党政治への対決の足場を打ち出せていません。国会で、自民党政治に明確な対抗軸を示して対決できるのは日本共産党しかありません。
今後、高市政権が極右タカ派路線、財源の裏付けのない歳出拡大路線を押し通せば、国民の願いとの矛盾を深めざるをえません。
粘り強い論戦と切実な要求にもとづく市民運動によって高市政権の暴走に歯止めをかけるたたかいがますます重要となっています。

