最後の最後まで無実を訴えていました。34年前、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された事件で犯人とされた元死刑囚です▼この事件をめぐっては直接的な証拠はなく、目撃証言やDNA型鑑定などが逮捕の根拠とされてきました。しかし決め手とされた当時のDNA型鑑定は信用に欠け、えん罪となった足利事件と同じ鑑定法でした▼最高裁の死刑確定から、わずか2年で執行。捜査を担当した元福岡県警の一人は、証拠が少なかったから早くしないと後で因縁をつけられないかというような判決じゃないと、自分に言い聞かせたと語っています。事件を追った地元紙の記者も、不信や疑問が払拭されずに終わってしまうのかと思ったと▼死刑執行の翌年から妻による再審請求が開始されますが、ことごとく棄却。DNA型鑑定については慎重に検討すべきだとしながら、「高度の立証がなされている」という理由で。そして福岡高裁は第2次請求も認めないとの決定を▼弁護側は「ゆがめられた証拠で言い渡された死刑判決を見て見ぬふりをしている」と批判しました。先月の菊池事件に続く閉ざされた再審の道。えん罪を生まないことよりも現行の司法制度の存続を優先させるのか▼証拠の全面開示をはじめ再審制度の見直しを求める動きが進められていますが、先週でた法制審の答申は現状からも後退する内容に。問われているのは、無実の人の命を奪ったかもしれないということ。元死刑囚の妻は訴えます。「正義の声が聞きたい」
2026年2月18日

