厚生労働省は、高額療養費の患者負担増による保険料などの給付費削減の内訳に、患者の受診控えに伴う1070億円を見込んでいることがわかりました。
高市政権は「高額療養費制度」の患者負担の月額上限を2026年8月と27年8月に2段階で引き上げ、最大38%の負担増を押しつけようとしています。
厚労省は25年末に、高額療養費見直しによる給付費の軽減効果を公表。26、27両年の高額療養費制度の改悪により保険料と公費を合わせ2450億円の給付費削減を見込んでいます。そのうち約44%の1070億円は、患者が医療費の自己負担増を避けるため受診を控えることによる給付費削減としています。
政府はこれまでも、高齢者の窓口負担増などの制度改悪の際に、患者の自己負担が増えると受診率が下がり、国全体の医療費が減る効果を試算に用いてきました。25年3月に凍結した高額療養費の見直し案に受診控えによる給付費削減効果を組み入れ、強い批判を受けましたが、見直しの“復活”を狙う今回の案にも織り込みました。
同制度は、がんなどで多額の医療費がかかっても、1カ月に支払う自己負担に上限を設ける制度。命に関わる疾患から患者を守るはずの高額療養費さえも、給付削減のために患者の受診控えを前提とするのは重大です。
上野賢一郎厚労相は25年12月26日の会見で、受診控えによる給付費削減の見込みは、「単なる計算結果にすぎない」と開き直りました。

