日本共産党の小池晃書記局長は15日、NHK「日曜討論」で、総選挙を受け、特別国会(18日召集)にどう臨むか、各党幹部と議論しました。
冒頭、選挙結果の受け止めを聞かれ、小池氏は、選挙での支援に心からの謝意を示したうえで、高市早苗首相が予算審議もせず衆院を解散し、解散から投開票まで戦後最短の16日間で有権者に各党の政策などを考える時間すら与えない「異常な選挙だった」と指摘しました。政治学者の杉田敦氏の「有権者に十分な情報と熟議の時間を与えてから意見を聞くのでなければ、まっとうな民主主義とは言えない」との発言を紹介し、「その通りだ」と強調。自民党が多数を占めた国会に心配や不安を抱える国民も多いとして「あらゆる分野で強権政治を許さないたたかいを進める」と表明しました。
チェック機能を 国会の役割大事
衆院で自民党が単独で3分の2超の議席を獲得した中での国会審議について、自民党の井上信治幹事長代理は「おごった対応はすべきではない」としつつ、「やらなければいけない政策は強力に推進していく」と述べました。これに対し、小池氏は「鎧(よろい)が見えている。フリーハンドを与えられたと思ったら大間違いだ」と指摘しました。高市首相が「国論を二分する政策」の内容を有権者にまともに語らず、改憲については屋内演説会で1回言及しただけだと強調。政権幹部による「首相がやると言ったものは全部フルスピードでやる」などの発言を厳しく批判しました。
自民党の比例得票は投票した有権者の36・7%にもかかわらず3分の2超の議席を占めることができたのは小選挙区制によるものであり、「虚構の多数だ」と強調。「与党が多数を占めた時こそ国会の役割が重要になる。きちんとチェック機能を果たせるように丁寧な審議を強く求めていきたい」と述べました。
国論二分の政策
自民・井上氏は「国論を二分する政策」について「憲法改正などが典型だ」と主張しました。改憲について国民民主党の榛葉賀津也幹事長が、憲法審査会で「確実に審議を加速していく手続きに入るべきだ」などと述べ、日本維新の会の中司宏幹事長も「この時期に進めていくことが大事だ」と同調。中道改革連合の小川淳也代表は「どこの条項をどのように改正したいのかという議論にしてもらわないと」と述べました。小池氏は、改憲について「民意とかけ離れている」と指摘しました。
消費税減税法案 早く出し議論を
消費税減税の議論で、2年間限定の食料品消費税ゼロについて、自民・維新の与党が超党派の「国民会議」での議論を各党に迫りました。
小池氏は、高市首相が消費税減税を「悲願」として2026年度内に実施したいと言及したことにふれ、「ならば特別国会に減税法案を出して大いに議論し、早く実現すべきだ」と強調しました。食料品だけでなく一律5%に減税し、複数税率をなくしてインボイスを撤廃し、時限措置でなく恒久減税、廃止を目指すことが必要だとして「そうした議論を国会で堂々とたたかわせよう」と主張。「多くの意見を聞くことは大事であり、参考人質疑なども十分行うべきだ。ただ、税法を決めるのは国会だ」とし国会での議論を訴えました。
高市首相が、食料品消費税ゼロを給付付き税額控除の実施までのつなぎと位置づけていることについて、自民・井上氏は給付付き税額控除が「本丸だ」と述べました。小池氏は「給付付き税額控除と抱き合わせにすることは議論の先延ばしになるだけだ」と批判。給付付き税額控除もさらなる増税の布石だとの指摘もあるとして、「消費税減税をまず国会で議論すべきだ」と強調しました。
高市首相が掲げる「責任ある積極財政」について、小池氏は、消費税減税にはきちんとした財源を示すことが必要だが高市首相は「赤字国債に頼らない」というだけで一時しのぎのものしか示せないと批判。日本共産党は財源として、政府も効果がなかったと認めている大企業への年間11兆円もの減税の見直しや、大株主に対する所得税の優遇の是正など「タックス・ザ・リッチ(富める者に課税を)」で税の不公正を正すことを提案していると強調。「これをやれば消費税減税だけでなく、社会保障や教育などの拡充にもあてられる」と述べました。
「政府が積極的なのは大軍拡だ」と批判。来年度予算案で軍事費が9兆円を超え、全ての所得税納税者を対象に防衛増税も始まる一方、高額療養費の負担引き上げが狙われ、年金はこの4年間で過去最大の目減りだと指摘し「国民の暮らしには消極財政で大軍拡には積極財政のやり方を見直すべきだ」と求めました。
世論と運動広げ 新しい政治開く
最後に巨大与党の状況で政治にどう臨むか問われ、小池氏は、国会の圧倒的多数の議席が自民党の政治にのみ込まれ右へ右への流れに向かう状況で、衆院で改憲賛成派が当選者の9割超、選択的夫婦別姓反対が多数となったというが「これは民意とかけ離れている」と強調しました。高市政権は議席こそ増えたが国民との関係では深刻な弱さともろさを抱えているとし、「国会の外で世論と運動を広げ、希望の持てる新しい政治をひらくために全力を尽くすのが日本共産党の役割だ」と決意を述べました。

