沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、米国防総省が米政府監査院(GAO)に提出した公式回答で、新基地が完成しても別の長い滑走路を用意できない場合、普天間基地(同県宜野湾市)は返還されないとの見解を示していたことが分かりました。
(写真)米軍普天間基地=2025年12月、沖縄県宜野湾市
日米両政府は、辺野古新基地建設が、普天間返還のための「唯一の選択肢」だとして、沖縄県民の民意を踏みにじって工事を強行してきました。しかし、新基地建設は軟弱地盤の工事で難航しており、現時点で完成は見込めないばかりか、仮に完成しても米側が返還しない可能性が強まっています。新基地建設は、いよいよ「普天間基地返還」という口実さえ失い、破綻への道を加速度的に速めています。
GAOは2017年4月に公表した報告書で、辺野古新基地は滑走路が短く緊急時の任務に対応できないため、沖縄県内で別の滑走路の使用の検討を求めました。報告書は、滑走路の長さは普天間の2800メートルに対して、辺野古は1800メートルです。このため、偶発的事態の際、「国連軍」(実態は米軍と、その同盟国軍)の固定翼機などが利用できないと指摘しています。
米国防総省は回答でGAOの見解に同意し、「代替施設(辺野古新基地)は、固定翼機のための長い滑走路を有していない」「現在、普天間基地で受け入れている統合部隊と国連軍は、キャンプ・シュワブ(辺野古新基地)で受け入れることはできない」と断定。「別の滑走路の選定は日本政府の責任であり、選定が終わるまで普天間基地は返還されない」と明記しています。
辺野古新基地の滑走路の「短さ」は、これまでも米軍から繰り返し問題視されてきました。最近も、米海兵隊中佐が執筆した論文で、「滑走路は長くはなく、能力もない」として、辺野古・普天間両方を保持すべきだとしています。
普天間基地は現在、垂直離着陸機MV22オスプレイやヘリ部隊が常駐していますが、戦闘機や大型輸送機などの「外来機」が頻繁に飛来。有事には200機以上を収容可能としています。
政府は、辺野古以外の代替滑走路を検討しているのか、明らかにする責任があります。

