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2026年2月15日

きょうの潮流

 みんなから愛された選手でした。演技の美しさと誠実で心優しい人柄。フィギュアスケートでカザフスタンに初めて五輪のメダルをもたらしたデニス・テンです▼8年前、彼は25歳の若さで亡くなりました。自家用車のミラーを盗もうとした暴漢にナイフで刺されて。スポーツ界にとどまらず、社会にひろがった衝撃。その悲しみを、快挙とともに思い起こした人も多かったでしょう▼ミラノ・コルティナ五輪・男子シングルのフリー。21歳のミハイル・シャイドロフ選手は「カザフスタンのフィギュアの成長ぶりを示したい」と臨みました。有力選手が相次いで転倒するなか、自己ベストを更新する見事な演技を披露。大逆転で同国初の金メダルをつかみました▼幼少からスケートを始めたシャイドロフ選手には、ふたりの憧れがいました。ひとりは羽生結弦さん、そしてもうひとりがデニス・テンでした。同じリンクで練習し、指導をうけたことも。「ぼくが今ここにいられるのは彼のおかげ」と感謝し、母国にフィギュアスケートの土台を築いた努力と功績をたたえています▼テンの死後、彼の名を冠した財団が設立され、いま多くの子どもたちがスケートを楽しんでいます。先人の足跡と遺志をうけついだシャイドロフ選手も「競技の魅力を広げられる存在でありたい」と▼偉業への称賛のなかで、非業の死を遂げた仲間に改めて思いをはせていた日本や世界のスケーターたち。そこには国境をこえてつながる、祝福と追悼の輪がありました。