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2026年2月14日

辺野古 進まぬ工事

くい打ちペース半減
地盤改良だけで20年も

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(写真)地盤改良船(赤白塗装の塔を複数有する船)が6隻ならぶ大浦湾=1月16日、沖縄県名護市辺野古

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設強行を巡り、埋め立て区域北側の大浦湾に広がる軟弱地盤の「改良」のための砂くいを打ち込むペースが、昨年の半年以上の中断のあと半分に落ち込んでいることが防衛省沖縄防衛局への取材で分かりました。総選挙で自民党が圧勝しても、破綻した新基地建設の実態が消えたわけではなく、矛盾はいっそう拡大していることが鮮明になりました。(小林司)

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 沖縄防衛局は昨年1月29日、砂くいの打設(打ち込み)を開始しましたが、台風など気象条件を理由に同6月10日以降、工事を中断。同12月19日にようやく再開されましたが、防衛局は本紙に、同月末までに打設された砂くいの本数は約90本だと回答しました。同26日が仕事納めとすると、1日当たりの打設本数は約11本です。

 しかし、中断前の打設ペースは、この倍でした。中断以前に打設された本数は約2910本。単純計算すれば、中断前の1日当たり打設本数は約22本です。

 しかも、新基地建設の工事は、以前は平日と土曜日に実施されていましたが、防衛局は昨年8月5日、工事の遅れを取り戻すために日曜・祝日も工事を実施すると発表しました。このことから1日当たりの砂くい打設本数は、さらに少ないと見られます。防衛局は新基地建設の工期について、24年1月を起点に約9年3カ月としています。このうち、軟弱地盤改良工事は約4年としていますが、現状のペースでは、砂くい等を打ち込むだけで20年近くかかります。破綻は明らかです。

強行しても完成は不可能

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(写真)新基地建設が強行される沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブ、辺野古・大浦湾=3日

 新基地建設は、砂くい打設以外の工事も“順調”とは言えません。

 防衛局は昨年11月28日、大浦湾側でも土砂投入に着手。「埋立区域③―3」の埋め立てに必要な土量約37万立方メートルのうち約6万立方メートルを昨年12月末までに投入したとしていますが、大浦湾側全体では、埋め立てに必要な土量約1700万立方メートルのうち投入済みは約19万立方メートルと約1・1%(同12月末)にとどまっています。

 また、新基地建設全体でこれまでに投入された埋め立て土砂は計画総量の約2017万6000立方メートルの約16・7%(同)にすぎません。

 「A護岸」と呼ばれる区域での鋼管を打設する工事では、同工事が開始された2024年8月20日から昨年12月末までに打設が完了したのは、「A護岸」の造成に必要な鋼管約1000本のうち約370本にすぎず、同12月は20本、同11月は10本しか増えていません。鋼管打設だけで3年8カ月以上かかる計算です。防衛局は「A護岸」の工期を3年10カ月としていますが、このペースでは大幅に遅れます。

 そもそも、最深で海面下90メートルに達する軟弱地盤の改良は現在の技術では不可能です。しかし日本政府は、全体の工事が2割も進んでいないにもかかわらず、政府の試算する総工事費約9300億円のうち8割近くを使用。追い詰められているのは自民党・高市早苗政権の方であり、県民の反対の民意を無視し工事を強行し続ける先に「平和で誇りある豊かな沖縄」はありません。新基地建設はただちに中止すべきです。

 海上で新基地反対の抗議行動を続ける「カヌーチーム辺野古ぶるー」メンバーの鈴木公子さんは、「総選挙で自民党が勝っても現場でのたたかいは変わらない」と強調。工事が破綻し、「ひどい政権ができて、今、何が一番必要なのかといえば、それは現場での抗議だ。現場で止めるしかない。(新基地建設は)まったく無駄な工事だ。毎日、船とカヌーで海に出てノーと言い続ける」と力を込めました。

軟弱地盤改良工事の砂くい打設ペース

2025年1月29日~6月9日

2910本(1日あたり22本)

  同6月10日~12月18日

           中 断

  同12月19~26日

  90本(1日あたり11本)