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2026年2月12日

主張

自民党虚構の多数民意
映さぬ小選挙区制の弊害

 総選挙で自民党は、衆院の3分の2(310議席)を超える316議席を獲得しました。単独の政党として戦後初です。予算だけでなく法案が参院で否決されても衆院で再可決できる強い力を持つ議席です。しかし、これは小選挙区制という選挙制度の弊害が生んだ“虚構の多数”であり、国民が高市早苗政権にそうした強い力を与えたものではありません。

■政党選択では37%

 政党を選ぶ比例代表選挙で自民党を選んだ人は投票者の36・7%ですが、小選挙区と比例を合わせた実際の議席は68%にのぼります。完全な比例代表制であれば自民党の議席は170議席、日本共産党は20議席になります。

 自民党は獲得議席のほぼ8割を小選挙区で得ています。同党が多数の議席を得られるのは、1人しか当選せず、議席に結びつかない多数の死票を生みだす小選挙区制ゆえです。小選挙区で自民党の得票率は49・2%ですが、86%と過剰な議席を得ています。

 小選挙区制は1996年の総選挙から導入されました。今回まで11回の総選挙で、小選挙区において第1党は平均して得票率の1・5倍の議席占有率を得てきました。今回は得票率の1・75倍で、2012年につぎ過去2番目に得票率と議席占有率の乖離(かいり)が大きくなっています。

 選挙結果を受けて高市首相は「国民の皆さまからのご信任をいただいた」として、憲法改悪に前のめりの姿勢を示し、安保3文書改定の前倒し、国家情報局の設置、「長期戦への備え」など大軍拡に突き進む姿勢を示しています。

 しかし選挙期間中、首相が街頭で訴えたのはおもに「積極財政」など経済政策で、安保・外交政策にはわずかしか触れず、「スパイ防止法」や殺傷兵器の全面輸出、国旗損壊罪など反対が根強い問題にはほとんど触れていません。

 国民に語らず、判断材料を与えず、しかも選挙制度の弊害に乗じた虚構の多数の上で「信任を得た」などとして、それらの問題を強行することは許されません。強権を振るえば国民との矛盾は避けられないでしょう。

■独裁生む比例削減

 1990年代、リクルート事件、ゼネコン汚職など、自民党の金権腐敗政治への国民の怒りを逆手にとり、「政治改革」と称して小選挙区比例代表並立制と政党助成金制度が導入されました。これが民意の反映をゆがめています。

 自民党政権は、「虚構の多数議席」のもとで、安保法制の強行をはじめ、沖縄県民の民意を踏みにじって辺野古の米軍基地建設を強行、多数の世論に反して原発再稼働にも突き進んできました。

 自分たちの思いが政治に反映されないことが、国民の政治不信や政治への無力感、閉塞(へいそく)感を生んできました。

 いま、政治不信をさらに逆手にとり、衆院議員定数の削減、ことに比例定数削減が狙われ、自維絶対多数の下で現実の危険となっています。比例定数の削減はいま以上に民意を切り捨て、第1党の独裁状況を生み出します。絶対に許すわけにはいきません。

 民意を反映する選挙制度への改革こそ必要です。