メディア向けの試写会では上映後に拍手が起きました。人生をやり直したいと願う青年がさまざまな壁にぶつかる姿を映した映画「ミックスモダン」です▼少年院を出た18歳は保護司のお好み焼き屋でまじめに働き始めます。しかし親に捨てられ、店では孤立し、次第に昔の仲間と夜遊びに。後悔や反省、決意は揺らいでいきます▼監督・脚本の藤原稔三さんは数年前、店や企業が元受刑者を雇用し更生を支援する「職親プロジェクト」を知って、取材を始めました。「元受刑者に聞くと、やっと更生できたというときに、コロッと罪を犯してしまう。こうすればいいという簡単な答えはありません」▼5年前から自身も少年らの保護司に。そうした経験を生かし、支援する側の悩みもていねいに描きました。映画では自ら保護司役として出演。「おとなへの不信感があっても否定せずに受け入れようと心がければ、通じる部分がある。保護司としての経験が生きた」と話します▼本作は昨年のベルリン国際映画祭パノラマ部門に選出されました。つても何もない一般応募からの快挙で現地の上映会も好評だったと。来月にはフランス公開が決まっています。いま東京のポレポレ東中野で上映中で、今後各地で公開予定です▼刑法犯は近年減少していますが、再犯者率は40%台の後半で高止まりしています。刑務所の再入所者の7割が無職で、安定した就労は社会復帰のカギです。「更生はひとりではできない」。映画の描く現実が重く胸に残ります。
2026年2月11日

