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2026年2月10日

きょうの潮流

 山に生き、雪を追う両親のもとに生まれた少年は幼い頃からスキーに明け暮れました。技を磨き、やがて五輪の舞台に。そして冬のオリンピックで日本選手として初めて表彰台に立ちました▼70年前のコルティナダンペッツォ五輪スキー男子回転で銀メダルを獲得した猪谷(いがや)千春さんです。以来、アルペン種目の日本選手メダリストは現れず、94歳となる猪谷さんは同じ地で開かれているミラノ・コルティナ五輪で後輩たちの活躍に期待を寄せます▼ほとんどが自然の中で育まれてきた冬のスポーツ。それだけに冬季五輪は開発や環境の問題を常に抱えてきました。このまま地球温暖化が進めば開催そのものが危ぶまれるとの懸念も高まっています▼分散開催や既存施設を積極的に活用した今大会。開催地の負担軽減や開発を抑えた運営をいっそう推し進めなければ、住民らの支援はますます難しくなるでしょう▼猪谷さんがもう一つ五輪に望んでいるのは、いまこそ平和の祭典の意義をかみしめること。ロシアのウクライナ侵略もイスラエルによるガザ攻撃もやまず、米国のベネズエラ軍事介入もある中での開催。開会式では米国やイスラエル選手団の行進時にブーイングも起きました▼女性で初の国際オリンピック委員会会長となったコベントリー氏は、総会でこう抱負を述べています。「分断された世界で五輪がこれからも感動を与え、人々を結びつけ、希望をもたらし続けられるように、その価値を強化していく」。原点を、見つめ直すように。