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2026年2月9日

主張

26年農政の課題
市場まかせ農政からの転換を

 一昨年来の「令和の米騒動」は主食・米の危機的事態を露(あら)わにし、政府の米政策の根本的転換を迫るものになりました。農家が安心して米作りを続け、国民だれもが国産米を食べられる社会の実現は今年の国政の重要な課題です。

 高市早苗政権はそれにまともに向き合おうとしません。

 鈴木憲和農水相は就任以来「需要に応じた米生産」を強調し、今年の国会ではそれを書き込む食糧法改正案を提出しようとしています。長年の減反政策はそれを名目に推進されてきました。そのもとで米価が暴落を続けたことや過大な減産で今回の米不足を招いたことに何の反省もなく今後も徹底するというのです。

■再生産可能米価を

 いま、米不足の影響を引きずり店頭価格が高止まりする一方、民間在庫が過去最大になるとの予測から生産者・流通業者の間に米価暴落の不安が広がっています。だから増産でなく「需要に応じた生産」というのでしょうか。

 しかし民間在庫の増大は政府が備蓄米を大量に放出したことや25年産の備蓄米買い入れの中止などの結果でもあります。ゼロに近い政府の備蓄米を早急に回復するうえでも、予期せぬ需給変動に対応するうえでも、ゆとりある需給計画のもとで本格的な増産が求められていました。それに背を向ける高市政権のもとでは今後も「米騒動」を繰り返すことになりかねません。

 鈴木農水相は「価格は市場で決まる」とも繰り返し、暴騰しても暴落しても政府は介入しないといいます。再生産可能な米価の実現は大多数の生産者の願いです。暴落時に生産者手取りをその水準に補償することは政府の責任です。ところが鈴木農水相は「生産者はそれ(所得補償)を望んでいない」(日本農業新聞1月5日)などと言い放ち、その願いを切り捨てます。

 政府が夏までにまとめ来年から実施するとしている水田政策の見直しも重大です。中心は水田転作を支援する交付金を廃止し、水田・畑にかかわらず生産性向上に取り組む生産者への支援に切り替える、といいます。長年続いた水田転作政策からの政府の撤退であり、「需要に応じた生産」は農家や関係者にいっそうの自己責任を押しつけることにならざるをえません。

 米の備蓄制度について民間備蓄や輸入米の活用なども検討しています。政府の役割を大幅に後退させ、“イザ”という時に必要な備蓄としての機能を失わせます。

■主食の安定供給が

 いずれも米や水田にかかわる国の財政負担の圧縮を第一にしたものです。大軍拡や大企業応援には惜しみなく予算を投じながら、国民の命や暮らし、農業関係の予算は抑制する―。これでは多くの農家が離農し、水田の荒廃が進み、主食の安定供給がさらに脅かされるのは必至です。

 「米騒動」を経験し、米や農業・食料問題に国民の関心がかつてなく高まっています。昨年、各地で開催された「令和の百姓一揆」には多くの消費者・市民も参加しました。今年3月末にも各地で開催されます。生産者と消費者、市民が力をあわせ、亡国農政の転換の声を高めるときです。