(写真)統一協会の内部文書「TM特別報告」は、保岡元法相、原田元環境相と何度も会議をして名称変更手続きに挑んだと記載しています(着色は編集局)
統一協会が2015年に正式名称を「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」に変更申請をした際に、それまで変更を拒否していた文部科学省が突然認めた問題で、自民党の原田義昭元環境相が協会から相談をうけ文科省に働きかけていたことが6日、分かりました。原田氏が本紙に証言しました。協会は1997年に名称変更を文科省に相談していましたが、霊感商法などで社会問題化していたため同省は申請をさせませんでした。政府は名称変更を巡り「政治家の政治的な関与や圧力はなかった」と国会で答弁していましたが、虚偽だった疑いが浮上しました。(統一協会取材班)
名称変更を巡る自民党議員の関与については統一協会の内部文書「TM特別報告」の中で、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に日本協会の徳野英治会長(当時)が報告していました。文書には、原田氏が「名称変更の時に、とても大きな貢献をしてくれた」「保岡興治元法務大臣と原田元環境大臣の2人と何度も会議をしながら、名称変更手続きに挑んだ」と記載していました。
統一協会は霊感商法などで社会的批判をあびて活動困難となり、名称変更で正体隠しを計ろうとしました。文書で徳野氏は名称変更が「約20年かかった悲願」だとし、韓総裁が名称変更を「本当に喜んでくださった」と誇っています。
文書の記載について原田氏は、「霊感商法などで統一協会の評判がよくないため名称を変えたいが文科省が申請を受け付けてくれないとの相談があった」と説明します。相談期間は約半年で、数回話し合いをし、「文科省にも働きかけをした」と証言しました。相談にきたのは徳野氏や国際勝共連合会長などを務めた梶栗正義氏だったといいます。
統一協会の相談に乗ったのは、「選挙でお世話になっている。支援者が一番嫌がる電話かけをしてもらった。秘書を派遣してもらったこともある」からだとしています。
保岡氏については「話し合いに同席したと思う」と述べました。本紙は統一協会関係者から「徳野氏がある会合で『名称変更で保岡氏にお世話になった』と発言していた」との証言を得ています。
統一協会が15年6月2日に名称変更を申請すると、文科省はそれまで拒否した姿勢を一転させ受理。同8月26日には認証の決裁がされました。申請から認証までに3カ月を切る早さでした。
統一協会が初めて名称変更を文科省に相談した97年に文化庁宗務課長だった前川喜平元文部科学事務次官は、本紙の取材に「教義など団体の実体に変化がないと名前は変えられないと(協会に)伝えた」「(名称変更は)政治的圧力があった可能性が高いと思う」と証言しています。
日本共産党の宮本岳志議員(当時)は22年10月の衆院文部科学委員会で、名称変更について「政治家とのつながりやきずなが功を奏した」と追及。永岡桂子文科相(当時)は「政治家の政治的な関与や圧力はなかった」と答弁していました。

