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2026年2月5日

高市首相「白紙委任」の先に

国の姿根底から覆す

 「高市早苗でいいのかを国民が決める選挙だ」。高市早苗首相は、この一点で選挙を押し切ろうとしています。「国論を二分する問題」で、「白紙委任状をよこせ」と国民に要求していることに他なりません。では、選挙で多数を得たら何をやろうとしているのか。

9条改憲

若者が血を流す国に

写真

(写真)「大軍拡」を主張する高市早苗首相=1月29日、姫路市

 最大の狙いは、憲法9条を改悪して、国の姿を根底から覆すことです。

 自民党の古屋圭司選対委員長は1月31日のNHK番組で、改憲原案の審査権限を持つ憲法審査会が動いていないとして「自民党で単独過半数(233)、連立与党として安定多数(243)、願わくは絶対安定多数(265)」という目標を強調。改憲発議を目指した国会での論議加速のための議席確保が選挙の狙いだと露骨に語りました。

 さらに高市首相は、2日の新潟県上越市での演説会で「憲法になぜ自衛隊と、書いてはいけないのか。彼らの誇りを守り、実力組織として位置づけるため、当たり前の憲法改正をやらせてください」と述べ、自衛隊を憲法に明記する9条改憲に照準を絞りました。

 改憲発議に必要な議席数は衆参両院で3分の2(310)以上です。自民党は24年の衆院選、25年の参院選で大敗し、改憲を掲げる他党を合わせても、明確な改憲勢力は3分の2を割り込んでいます。高市自民党は今回の選挙でも改憲発議に必要な議席数を現実の目標として狙っています。

 自衛隊の海外派兵が始まった1990年代以降、「日本も血を流せ」という論調とともに、9条改憲論が急速に強まりました。発端は、日本の軍事的役割分担の強化を求める米国です。

 一方、平和を願う幅広い国民の共同で、今日まで9条改憲を阻止してきました。しかし、総選挙後の国会では、改憲派が絶対多数を占める危険があります。

 国権の発動たる戦争放棄、陸海空の戦力不保持を掲げた、世界の宝とも言える憲法9条を守り発展させるのか、あるいは9条を葬り去り、日本が名実ともに「平和国家」の看板を投げ捨て、「戦争国家」の総仕上げに入るのか。自衛隊が米軍の肩代わりでアジアの戦争に介入し、21世紀に生まれた若者たちが戦後初めて、戦争で血を流すのか。9条を生かした外交で、北東アジアの平和構築を進めていくのか―。日本は大きな岐路に立っています。

 日本共産党は、「憲法を真ん中に据えた確かな共同」を掲げています。結党以来、一貫して戦争反対をつらぬき、9条をはじめ憲法をブレずに守ることを掲げる日本共産党の重要さが際立っています。

大軍拡

「死の商人国家」作り

 高市政権が多数を占めた場合、直近で最大の危険性は、トランプ米政権言いなりの軍事費大幅増額です。

 トランプ政権は日本を含むすべての同盟国に国内総生産(GDP)比5%の軍事費を同盟国に要求。日本では30兆円を超える規模になり、国民1人あたり年25万円もの負担です。選挙で多数を得れば、高市首相は「信任を得た」として、米の要求に唯々諾々と応じる危険があります。

 被爆者の願いに背き、非核三原則の見直しも狙っています。高市首相は1月26日のテレビ番組で三原則を今後も堅持すると明言せず「『持ち込ませず』の部分は難しい。議論しなければいけない」と言及。米国の「核の傘」による拡大抑止に固執しています。

 また、高市首相は「防衛産業基盤がまだまだ弱い」(1月24日のネット番組)と繰り返しており、武器輸出を限定している「5類型」を撤廃し、銃や弾薬などの殺傷兵器を自由に輸出できる「死の商人国家」づくりを狙っています。

国民監視

外国人憎悪もあおる

 高市首相が「白紙委任」を迫る先にあるのが、国民を監視し、民主主義を否定する社会です。

 高市首相は、衆院解散の理由を説明した1月19日の会見で「スパイ防止法」の制定を「急がれる」として意欲を示しました。スパイ機関を創設し“危険人物”を洗い出す「現代の治安維持法」です。対象は「危険」とみなされる市民全体に及び、国民の思想・信条にまで踏み込むおそれがあります。

 同法と一体で進めようとしているのが、インテリジェンス(情報活動)機関の強化です。政府は公安調査庁や自衛隊の情報保全隊などが国民監視をしていますが、さらなる情報収集力の強化により、政府に批判的な国内の団体・個人の言動を絶えずつかむことで言論弾圧を狙います。

 高市首相は、外国人政策でも、「不法滞在者ゼロ」「もっと入国管理を厳しくする」と強調。「税金や社会保険料にタダ乗りしようとする方にはお帰りいただかなければならない」などと外国人憎悪もあおっています。

 日本国旗を損壊することを処罰の対象とする「国旗損壊罪」の創設も狙っています。これらの政策が進めば、異論を許さず、深刻な差別と分断を生み、意に沿わない人を排除し、偏見と疑心暗鬼に満ちた息苦しい社会になります。

放漫財政

国民のくらしを破壊

 高市政権は湯水のように軍事費を増やす一方、国民の暮らしには冷淡です。

 責任ある積極財政の名の下、財政を悪化させ、金利上昇や円安を加速する放漫財政、国民の暮らしをいっそう脅かしています。

 社会保障では、高額療養費の患者負担増を26年度予算案に盛りこみました。26年8月と27年8月の2段階で所得に応じて月額上限を引き上げ、最大38%増としています。高額療養費制度があることで多額の医療費の自己負担が発生しても、月額の負担上限を超えた分が公的医療保険から払い戻されます。がんなどで長期にわたり治療を受ける患者・家族にとって命綱である高額療養費の負担上限引き上げは患者を治療中断に追い込むことになります。

 市販薬と同様の効能を持つ医療用医薬品(OTC類似薬)の患者負担を増やす法案を選挙後の国会に提出する方針です。負担増の対象となる77成分(約1100品目)にはアレグラやロキソニンなど身近な医薬品が多く含まれています。薬代に追加料金を上乗せして、医療保険1割の人は3割へ、2割の人は4割へ、3割の人は5割への負担増を狙っています。

 自民・維新の連立政権合意書には医療費窓口負担について「年齢によらない真に公平な応能負担の実現」と明記し、高齢者の窓口負担3割の対象拡大を狙っています。介護保険でも利用料2割負担の対象者拡大を検討課題に挙げています。

 日本共産党は一貫して社会保障の拡充を訴えてきました。総選挙で負担増となる「白紙委任」を突き返し、共産党を躍進させることが求められます。