(写真)介護崩壊の実態について本紙が報じるスクープを厚生労働省が予測し、昨年7月25日に当時の福岡資麿厚労相に報告していた資料
厚生労働省が昨年夏、介護崩壊の実態把握に必要な事業所一覧の公表を通常より約1カ月遅らせたことをめぐり、このデータをもとに「赤旗」が報じるスクープを同省が予測して福岡資麿・厚労相(当時)に報告していたことが分かりました。本紙のスクープを警戒し、意図的にデータの公表を遅らせた疑いがあります。本紙は公表遅れによって当該スクープを昨年参院選前に掲載できず、日本共産党の小池晃書記局長が同省に抗議していました。
厚労省が公表を遅らせた事業所一覧は、本紙昨年8月10日付のスクープ「訪問事業所ゼロ 115町村に拡大」の根拠資料でした。自公政権が強行した訪問介護の報酬引き下げ(2024年4月)で介護崩壊が加速したことを告発するために、半年おきに公表されるデータを本紙が分析し、NHKや「共同」などが後追い報道してきました。
厚労省は昨年夏、これまで7月上旬に行ってきたデータ公表を遅らせて、参院選(7月20日投票)後の8月8日に公表しました。
公表を拒んでいるあいだに同省は、本紙の分析手法を模倣して訪問介護事業所ゼロの自治体数が増えたことを確認。同7月25日、ゼロ自治体増加やそれを本紙が報じるだろうという見通しを福岡厚労相に報告しました。データ公表前のこうした分析や大臣への報告は異例です。
本紙は、福岡厚労相への報告資料を情報公開請求で入手しました。計4ページのうち1ページをまるごと使って、予測される本紙報道を説明していました。「前回の記事の数値を更新(イメージ)」「115町村(+8町村)」などとしています。
資料を作成した同省老健局認知症施策・地域介護推進課は「大臣が関心あるだろうということで、『赤旗』が出すはずの記事をシミュレーションして説明した。大臣や官房部局への説明でデータの公表が通常より遅くなったが、情報隠蔽(いんぺい)のような意図はなかった」(担当者)としています。
公表遅れをめぐっては、小池氏が参院選中の昨年7月14日に厚労省に抗議し「政権にとって不都合なデータを隠しているのではないかと見られても仕方がない」(本紙同16日付)と指摘していました。
1月分も公表遅れ
事業所一覧のデータは、通常7月上旬と1月上旬に公表されてきましたが、厚労省は2月3日時点で公表していません。(本田祐典)

