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2026年2月3日

主張

台湾有事・首相発言
日中関係打開の外交こそ必要

 高市早苗首相の「台湾発言」が日中関係の極度の悪化を招いています。日中関係をどう前向きに打開するかは総選挙の大きな争点です。

 首相の発言は昨年11月の国会で、台湾をめぐり米国と中国が軍事衝突すれば「どう考えても存立危機事態になり得る」と答弁したものです。

■基本的知識もない

 存立危機事態とは、他国に対する武力攻撃が発生し、そのことにより日本の存立が脅かされる事態とされます。日本への武力攻撃が発生した事態ではありません。2015年に成立が強行された安保法制に規定されています。

 存立危機事態に際し、自衛隊は他国への武力攻撃を排除するため武力行使ができると定められています。歴代政権が違憲としてきた集団的自衛権の行使にほかなりません。

 政府は、他国の例として米国(米軍)を挙げています。

 中国が台湾に侵攻する台湾有事で、米国が台湾を支援するため軍事介入し、中国と戦争になった場合、日本政府がこれを存立危機事態と認定すれば、自衛隊は米軍への攻撃を排除するためとして武力を行使できます。

 日本共産党の田村智子委員長は各党党首討論会(1月26日)で、首相の「台湾発言」は「台湾海峡で米中が武力衝突したら、日本は攻撃されていなくても、自衛隊が出かけていって中国と戦争することがあり得る」との宣言だと批判し撤回を求めました。

 これに対し首相は慌てて「(台湾有事で)私たちは台湾にいる日本人やアメリカ人を救いに行かなければならない。そこで共同行動を取っている米軍が攻撃を受けた時に日本が何もせずに逃げ帰ると、日米同盟がつぶれる」などと述べました。

 しかし、これは邦人避難の話で、存立危機事態での自衛隊の武力行使とは別問題です。邦人避難を言うなら事前の退避、何よりも戦争を起こさせない外交こそ重要です。

 しかも、自衛隊法は、海外での緊急事態で邦人保護のために自衛隊を派遣できるのは、相手国の同意がある場合や戦闘行為が行われない場所に限っています。日本政府は中国を「唯一の合法政府」と認めており、自衛隊の派遣には中国側の同意が必要となります。戦争状態になれば派遣は当然できません。首相にはそうした基本的知識さえないと言わざるを得ません。

■中国にも物を言う

 日本共産党は、首相の「台湾発言」の撤回を求めると同時に、中国の対応についても▽この問題を両国の人や文化、経済の交流に結びつけない▽対立をあおる言動を慎む―ことなどを提起。両政府には「互いに脅威とならない」との08年の首脳合意を順守するよう働きかけています。

 台湾問題では平和的解決を求め、中国の武力行使や武力による威嚇にも、米国と日本による軍事的関与・介入にも反対しています。

 米国か中国かというブロック政治の発想は、際限のない軍拡競争、軍事対軍事の悪循環をもたらし、逆に平和と安定を脅かす危険を高めます。地域のすべての国を包摂した対話の枠組みをつくり発展させることが必要です。