また会いたい--。パンダロスがひろがっていますが、新しい貸与の見通しもなく、愛され親しまれてきた姿はしばらく見られない状況が続きそうです▼1972年の日中国交正常化でカンカンとランランが上野にきて以来、54年ぶりに日本からパンダがいなくなりました。再来日を求める声は強いものの、高市首相の台湾有事発言を機に日中関係は悪化。「友好の象徴」の不在は長期化の恐れも▼中国のパンダ外交は世界に展開していますが、中国側からは「緊張が続けば日本に新たなパンダは貸さない」との声も出ています。ところが高市首相は選挙中も台湾発言をくり返し、軍事的な対立をあおっています▼民間初の駐中国大使を務めた丹羽宇一郎(にわ・ういちろう)さんは生前、日中の関係を「薄氷の上を歩くように壊れやすい」と例えていました。そして、安全保障にとって最も大事なことは敵をつくらないことだとして米国に依存するばかりの自民党外交を批判してきました▼「日本がめざすべきは世界中から尊敬される国。尊敬される国とは世界を屈服させる国ではなく、世界が感服し、手本となる国です。平和的な手段で問題を解決するというのは当たり前のこと」。丹羽さんはそう力説していました▼力の支配をふりかざすトランプ政権に従い、日本を再び戦争に近づけていく高市政権。このまま続けば、「スパイ防止法」をはじめ国民監視や排外主義がいっそう強まる危険も。自主的で平和的な外交がいかに大事か。消えたパンダからも見えてきます。
2026年2月3日

