トランプ米政権が国際法も国際秩序も踏みにじり、世界を「法の支配」から「力の支配」に塗り替えようとする中、アメリカ言いなりの外交を続けて良いのかが問われています。
米国言いなりをいつまで続けるのか
戦後の日本政府は、ただの一度もアメリカの侵略戦争や内政干渉を批判したことはありません。
実際、ロシアによるウクライナ侵略は「明確な国際法違反だ」とただちに批判しましたが、米国による昨年のイラン核施設への先制攻撃や、今年のベネズエラへの軍事侵攻と同国大統領夫妻の身柄拘束を一言も批判していません。トランプ大統領は「グリーンランド領有」まで言い出しましたが、これについても、日本政府は何も発信することができません。
日本共産党の田村智子委員長は26日の日本記者クラブの党首討論で、「トランプ政権の『力の支配』は、国際秩序を壊す重大な問題であり、世界の国々が批判の声を上げている」と指摘。「自民党政権は『法の支配』を掲げながら、なぜ批判しないのか」と真正面から追及しました。
【日本共産党の主張】
トランプ政権を一言も批判できないアメリカ言いなり外交から、自主的平和的外交に切り替えます
平和と暮らしを壊す大軍拡を止める
●大軍拡
アメリカ言いなりの大軍拡が止まりません。軍事費は、2022年度からのわずか3年で国内総生産(GDP)比1%(5・4兆円)から2%(11兆円)へと倍増しました。
米側はこれにとどまらず、GDP比3・5%(21兆円以上)を要求。さらにトランプ政権は最近、すべての同盟国にGDP比5%以上への増額を求めました。30兆円を超える規模で、国民1人当たり、実に年間25万円もの負担です。
(写真)1機あたり、維持費含めて850億円を超えるF35Bステルス戦闘機(宮崎県新富町の新田原基地)
これは日本を守るための軍事費ではありません。アメリカの肩代わりをして中国と戦うためのものです。
ところが高市自民党をはじめ各党は「中国脅威」をあおり、アメリカ言いなりに大軍拡を競いあっています。日本維新の会、国民民主、参政の各党はGDP比2%超への軍事費増を当然視しています。中道改革連合も基本政策に「日米同盟を基軸とした抑止力・対処力の強化」を明記し、2%超への軍事費増額を否定していません。
田村氏は27日の衆院選第一声で「トランプ政権からは、同盟国は軍事費を5%にという要求が突きつけられている。高市首相は軍事費をどんどん増やす、外国を攻撃するミサイルを“全然足りない”とどんどん増やす。武器の開発だ、武器の輸出全面解禁だと、戦争国家への暴走、どれもこれも憲法違反。専守防衛を踏みつけている。こんな政治に断固立ち向かう力が求められています」と訴えました。
●核兵器のない世界
世界で唯一の戦争被爆国でありながら、「核抑止」強化(自民党)、さらに「核共有」(維新、国民民主)「核保有」(参政党)まで公然と議論する状況が生じています。中道は「非核三原則堅持」を言いながら、アメリカの「核抑止」には固執する立場です。
田村氏は26日のテレビ討論で、「核抑止は、いざとなれば核兵器を使うぞと相手に恐怖を与える考え方だ。本当の平和でもなければ安全でもない」と指摘。「唯一の戦争被爆国として、核抑止をどう乗り越え、核兵器を廃絶するか議論すべきだ」と訴えました。
【日本共産党の主張】
―軍事費の大増額に反対
―他国を攻撃するための長射程ミサイル配備・ミサイル列島化に反対
―沖縄・辺野古の米軍新基地建設に反対。日米地位協定の抜本改定を要求
―非核三原則の堅持、核兵器禁止条約への参加を推進
―武器輸出全面解禁に反対
―国民を監視する「スパイ防止法」に反対
―憲法違反の戦争法=安保法制の廃止、安保3文書の撤回
―憲法9条を守り抜く
対中関係の打開へ外交戦略をもって
高市首相の「台湾有事は存立危機事態」発言で、日中関係が極度に悪化しています。日本が米国とともに中国に武力行使する可能性を示した発言で、日本の首相が特定の国を武力行使の対象として名指ししたのは戦後初です。首相は発言を撤回するどころか、「アメリカが攻撃を受けているときに逃げ帰れば日米同盟がつぶれる」とまで述べて正当化しました。
田村氏は26日のテレビ討論で、「台湾有事」発言を厳しく批判した上で、「中国には言うべきことは言いつつ、前向きに打開する外交戦略を持つべきだ」と主張しました。
【日本共産党の主張】
―台湾海峡の平和と安定は、地域と世界の平和と安定にかかわる重要な問題。平和的解決を強く求める。台湾住民の自由に表明された民意の尊重を。中国の台湾に対する武力行使や武力による威嚇に反対。同時に、日本と米国が軍事的に関与・介入することに反対
すべての国を包摂し対話で平和つくる
特定の国を敵視し、排除する政治に、平和への展望はありません。果てしない軍拡競争、軍事対軍事の悪循環をもたらし、逆に平和と安定を脅かすリスクを高めます。そうではなく、地域のすべての国を包摂した対話の枠組みをつくり発展させることが必要です。
日本共産党はそのために「東アジア平和提言」を提唱。「アメリカにつくのか、中国につくのか」ではなく、東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力しながら、東アジアのすべての国が参加する枠組みをともにつくるよう訴えています。

