総選挙が27日公示され、各党党首が各地で第一声をあげました。物価高騰に有効な手を打てず、「力の支配」をふりかざす米国いいなりの大軍拡をつづける自民党政治の行き詰まりは深刻です。ところが、高市早苗首相は「自民と維新で過半数を取らせてください」と白紙委任を求めるだけ。各党もまともに対決構図を打ち出すことができません。これに対し、日本共産党の田村智子委員長は「自民党政治を変えたいという思いに応える」と主張。暮らしでも平和でも「自民党政治対共産党」の対決構図が鮮明になりました。
首相、白紙委任迫る
他党、自民擦り寄り
(写真)田村智子委員長の訴えを聞く人たち=27日、東京・池袋駅西口
連立を組む日本維新の会の吉村洋文代表とともに第一声に立った高市首相。自民、維新をあわせても衆院で過半数まで4議席が足りないとして「官房長官と頭を抱えた。だから、もう勝負しなきゃ」「不安定な状況で力強く政策を進めることはできない」などと述べ、政策そっちのけで、首相を信任するかしないかに焦点を狭めようと躍起です。
高市首相と並び立った維新の吉村氏も「総理を決める選挙の時、自民党以外で高市早苗と書いたのは維新だけ」とアピール。「なぜ維新が(連立に)入ったのか。アクセル役だ」と述べ、高市政権の暴走の推進役を果たすことを強調しました。
一方、青森県弘前市で第一声をあげた中道改革連合の野田佳彦共同代表は「こんな時期に(解散を)やる。その考え方自体ダメだよという意志表示をしなければいけない」というだけで、自民党政治との対決構図は示しません。第一声で「中道の塊を大きくしていかなければならない。そんな話し合いを各党の方々としてきた」と述べた斉藤鉄夫共同代表は、「産経」インタビューで「自民党と連立を組むこともあるかもしれない」とまで語っています。
自民党政治との対決構図を描けないのは中道以外の党も同じです。国民民主党の玉木雄一郎代表は「私たちは対決より解決、政策本位でやってきた」と述べ、予算への協力などで自維政権に助け舟を出してきたことを正当化。参政党の神谷宗幣代表は「日本を動かす政権の一角に参政党を入れていこう」などと訴えました。
こうしたなか、大企業優先、米国いいなりの自民党政治の転換を正面から掲げたのが日本共産党です。
田村委員長は「政治を変えたいという思いに応える。暮らし、平和、人権、ブレずに国民のために働く」と訴えました。
消費税減税
共産、財源提案リード
(写真)第一声をあげる高市早苗首相(中央)と日本維新の会の吉村洋文代表(左)、藤田文武共同代表=27日、都内
物価高騰を巡っては、各党はそろって「減税」をアピールしています。
自民党は総選挙前になって慌てて2年間に限り、食料品を消費税の対象にしない方針を提示。中道は消費税の食料品の税率ゼロを掲げています。しかし、問題は財源です。まともな財源を示さなければ、いくら減税を掲げても実現することはありません。
高市首相は党首討論で、財源や実施時期をまともに答えられず、第一声では消費税について一言も触れることができなくなりました。
一方、中道の斉藤氏は「財源をきちんと明記した」「最初の2年間は積みすぎた基金を取り崩し、その間に政府系ファンドをつくる。国が持っている資産を運用して財源を出していく」と猛アピール。しかし、市場の動向や株価に左右される資産運用では、とても安定財源とはいえません。
国民民主の玉木氏は「もっと手取りを増やす」というものの、相変わらず財源は示しません。党首討論では、高市首相から「これまで国民民主の提案をまるっと受け入れてきたが、財源を探すのはこっちの仕事ということで苦労している」とぼやかれています。
これに対し、日本共産党の田村氏は「消費税を5%に下げ、その先に廃止を目指す」と主張。「もうかっている大企業、富裕層からふさわしい税金をとれば、消費税は減税できる」ときちんと恒久財源を示して訴えました。
日本共産党の財源提案には、党首討論で維新の藤田文武共同代表も「大企業・金持ちからがっつり取ろうと財源を明示していることは筋が通っている」と応じています。第一声では、参政党の神谷氏も「財源、何も考えていないわけじゃない。国債だけに頼れって言ってない。法人税をあげる方法がある。もう共産党、れいわも、言っている」と述べました。日本共産党の財源提案が論戦をリードし、他党党首も納得せざるをえない力を発揮しています。
国際秩序
共産、米いいなり批判
(写真)演説する中道の野田佳彦共同代表=27日、青森県青森市
総選挙では、国際秩序を破壊する米国いいなりでいいのかが問われています。しかし、第一声で外交に触れた党首は、ほとんどいません。
高市首相は「領土、領海、領空、資源を守りぬく。国家の主権と名誉を守り抜く」というだけで、外交については一切、話しません。
中道の斉藤氏は「力で現状を変えようという力が大きくなっていくなかで、絶対に戦争をしないというのが中道の基本的な考え方だ」と訴えたものの、「力の支配」を掲げる米国に対しては何の批判もしません。中道は、他国の戦争に自衛隊を参戦させる集団的自衛権の行使を容認しており、「戦争をしない」ための具体的な歯止めについても何も語ることができません。
参政党の神谷氏は「なるべく戦争にならないように国際調和を図っていく役割を果たせる国になろう」などと抽象的に訴えるだけでした。
これに対し、日本共産党の田村氏は「トランプ政権いいなりの大軍拡ほど危険なものはない」と指摘。「憲法9条を持つ国として、唯一の戦争被爆国として『戦争はダメだ』『核兵器なくせ』と言える日本の政治をつくっていこう」と呼び掛けました。
さらに、排外主義をめぐっては、高市首相が「もっと入国管理を厳しくする。在留許可だって、『税金払っている?』『保険料払っている?』といったことを審査の対象に入れていく」とアピール。参政党の神谷氏も「(外国人受け入れの)数は制限して、日本人と一緒にやれる人だけ、その数だけ一緒にやっていけばいい」と訴えました。
田村氏は「差別や排外主義をもたらす政治にも断固として立ち向かっていく」と主張。暮らし、平和、人権でブレずに自民党政治と対決する日本共産党と、自民、維新をはじめとして、他の各党との立ち位置はすでに明瞭です。

