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2026年1月27日

党首討論 田村委員長の発言

 総選挙(27日公示、2月8日投票)が翌日に迫った26日、日本記者クラブで行われた7党党首による討論会の詳報を紹介します。出席したのは、日本共産党の田村智子委員長と自民党の高市早苗総裁(首相)、中道改革連合の野田佳彦共同代表、日本維新の会の藤田文武共同代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、参政党の神谷宗幣代表、れいわ新選組の大石晃子共同代表です。

賃上げ・消費税
田村 富裕層税優遇を見直し減税と最賃引き上げを
首相 最賃引き上げの政府目標示さず

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(写真)日本記者クラブ主催の党首討論会で発言する田村智子委員長=26日、東京都千代田区

 党首討論では、消費税減税が議論になりました。

 高市首相は、2年間に限り食料品を消費税の対象としない方針の実施時期について、「できるだけ早期に引き下げたいという希望は持っている」と発言。しかし、議論は「国民会議」に丸投げしたうえ、「夏までにまとめて結論を出してもらえたら、臨時国会に税法を提出できる」などと開き直りました。

 田村氏は「株価が上がり、大企業がもうかっても、暮らしは苦しい。大株主と大企業にばかり利益が流れ込み、ため込まれる。この富の一極集中をただすことこそ、物価高から暮らしを守ることができる」と指摘。「消費税廃止を目指し、5%へ。財源は異常円安をもたらす国債大量発行ではなく、もうかっている大企業・富裕層への減税、税優遇を見直す」と財源も含め、消費税減税の道をきっぱりと示しました。

 さらに、経済政策をめぐって、田村氏は「物価高から暮らしを守るためには大幅賃上げが不可欠で、そのためにもっとも基本的な政策が最低賃金の引き上げだ」と訴えました。田村氏は、石破政権が2020年代に時給1500円という目標を掲げたものの、高市政権は目標を示していないと指摘。「大企業は賃上げも、中小企業への支払いもまともにやらなかったから内部留保を561兆円もため込んだ。この内部留保の一部に課税して、中小企業の賃上げ直接支援に充てて、1500円、さらに1700円を目標にすべきだ」と迫りました。

 ところが、高市首相は「政府は事業者の方々が賃上げしやすい環境をつくるために力を割く」「1500円よりも高くなるかもしれない。そこに追いつかないかもしれない」などと述べ、最低賃金の引き上げ額についての政府の目標を示さないとの立場を示しました。

 田村氏は「結局、石破政権が掲げた目標を投げ捨てたということになる。大企業にため込まれたものをどう活用するか、富の一極集中をどうするかという政策が何もない。大幅賃上げについての戦略がないと言わざるを得ない」と厳しく批判しました。

安全保障・外交政策
田村 「法の支配」否定の米政権 なぜ批判しないのか
首相 国際法違反触れず「抑止力」と強弁

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(写真)高市早苗首相(右端)に質問する田村智子委員長(左端)=26日、東京都千代田区

 安全保障・外交政策に関する討論で田村氏は、米トランプ政権の「力の支配」は、平和の国際秩序を否定し壊す重大問題で、世界の国々が批判の声を上げていると指摘。米国のベネズエラ侵略について「いかなる理由があろうとも、主権国家に武力侵攻し、指導者を拘束することなど許してはならない」と強調しました。

 さらに、トランプ大統領がデンマーク自治領グリーンランドの領有も主張し、「私に国際法は必要ない」として「法の支配」を投げ捨てているにもかかわらず、高市政権からトランプ政権に一言の批判もないと指摘。高市首相に対し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」で「法の支配」を掲げていながら、なぜトランプ大統領の「力の支配」を批判しないのかと追及しました。

 高市首相は「米国が言う力の支配は、力による抑止力と捉えている」と強弁。「日本としての主張はしている」としか答えられませんでした。

 田村氏は「法の支配を否定しているトランプ政権を一言も批判できないのは極めて重大だ」と厳しく批判。トランプ政権が同盟国に軍事費・関連費を対国内総生産(GDP)比で5%以上とするよう要求したことに言及し、「高市首相は軍事費について自主的に判断するというが、これほどアメリカ言いなりでどうして自主的判断ができるのか」と批判しました。

 田村氏と高市首相の討論を受け、司会者が「力の支配」を「力による抑止力」だとした首相発言について、「ベネズエラ攻撃は国際法違反だとの指摘も非常に多い中で、あれが抑止力だというのは、抑止力という言葉を都合よく使っているのではないか」と疑問を投げかけました。

 高市首相は、米国が発表した「国家防衛戦略(NDS)」の文言だと言い訳しましたが、ベネズエラ侵略が国際法違反だとは一言も述べませんでした。

 米国によるグリーンランド領有の動きに関して「国際社会の枠組みが危機にあるなか、日本の総理が何も言わない、何もしない、それでいいのか」との司会者の問いかけに対しても、高市首相は「私自身の考え方がある。でも、外交上のやりとりで明らかにできない」と回答を拒否しました。

 また高市首相は、司会者から非核三原則の見直しを考えているのかと問われたのに対し、「何があっても日本国民、日本国の領土、領海、領空をしっかりと守り抜ける体制をつくるべきだ」と述べ、非核三原則の見直しを否定しませんでした。

政治の流れ
田村 自民党政治変える共産党 今度こそ躍進を
中道・国民・参政 自民との連立否定せず

 討論では、衆院選後の連立の枠組みについて質問が出ました。

 野田氏は「今の自民党にすり寄って連立ということは全くない」と述べる一方、「高市政権」ではない自民党との大連立は否定せず、「中道が頑張れば穏健な保守が一緒になる可能性もある」と発言しました。

 一方、高市首相は、国民民主党に「早くから(連立入りの)プロポーズを送っていた」と明かしました。これに対し玉木氏は、連立入りへの言及は避けつつも、「信頼関係は崩れているとは思っていない」と発言。神谷氏も「プロポーズされるぐらい魅力的にならないといけない」などと述べ、自民党への迎合姿勢があらわになりました。

 公明党と立民による「中道改革連合」の結成をめぐる各党の立ち位置も議論になりました。

 田村氏は「中道改革連合ができた大きな流れを見てみると、公明党が主導したように見える。今日のニュースで、斉藤鉄夫共同代表(公明党前代表)は“自民党との連立もあり得るかもしれない”とインタビューで答えている」と指摘。「自民党政治にいろいろな政党がのみ込まれていく。そのときに、自民党政治を変えるという政党がいま大きくならなくてどうするのかという思いだ。今度こそ躍進するぞという思いで、この総選挙は元気に臨んでいきたい」と表明しました。

 中道改革連合をめぐっては、「安保法制合憲」や「原発再稼働」など、公明党の政策を丸のみしたことについて、野田氏に質問が集中しました。

 田村氏は、原発政策をめぐり「市民と野党の共闘の出発点の一つには、2011年3月11日の福島の事故がある。原発再稼働を許すな、原発を止めろ、そしてなくせという運動に市民と野党は集まってきて、その後、安保法制のたたかいにもつながっていった」と強調。原発は再生可能エネルギーの普及を妨げる大きな要因であるとともに、「発電出力の調整ができず、いったん動かし始めたら大量発電を続けなければならない。しかも点検の際には止まり、非常に不効率でコストもかかる」と批判し、「だからこそ、再生可能エネルギーへの大転換、省エネへの大転換をエネルギー政策の柱に据えるべきだ。私たちはこの立場をぶれずに、そしてこの立場で共同できる市民と野党の皆さんと力を合わせて、自民党政治を変えるために頑張っていきたい」と訴えました。

 さらに記者から「中道改革連合と一緒に協力できる余地はあるのか」と問われた田村氏は、「基本政策・綱領を見ても、自公政権の時の自民党政治をそのまま継承している」と指摘。「集団的自衛権の行使は、日本がどこからも攻撃されていない、攻撃を受ける恐れもないときに、自衛隊が海外で戦うことを可能にするものであり、どう考えても憲法違反だ。それを具体化したのが安保法制であり、この安保法制を廃止することが、立憲主義を日本の中で取り戻すためにどうしても必要だ」と強調しました。

 田村氏は、原発政策も国の在り方そのものが問われる大きな問題であることや、トランプ政権が「力の支配」を進めているときに、アメリカ言いなりで大軍拡を進めることが許されるのかなども問われると指摘。「かつて『自民対非自民』という対決構図があったが、いまはそうではなく、大きく自民党政治にのみ込まれていく政党と、それとたたかう日本共産党という構図をはっきり打ち出して頑張っていきたい」と訴えました。

■首相、裏金議員を擁護

 高市早苗首相は26日の日本記者クラブの党首討論会で、今回の衆院選で自民党が派閥の裏金事件にかかわった議員や元議員を公認した問題について司会者から指摘され、「専門知識のあった人材にはもう一度働くチャンスを与えていただきたいと切に願う」などと開き直りました。

 高市氏は「みそぎが済んだとは受け止めていない」としながらも反省の言葉はなし。「本人によるうっかりもあっただろう。全然本人が承知していなかった場合もあった。さまざま人によって経緯はバラバラだった」などと裏金議員らを擁護しました。

■参政代表、差別あらわ

 参政党の神谷宗幣代表は26日の日本記者クラブ主催の党首討論会で、「移民の大量受け入れはやっぱり反対だ」とし、単純労働に就く外国人は短期間で帰国させるなどと外国人差別をあらわにしました。

 神谷氏は「高度人材は永住、定住も選択肢にあると思うが、単純労働は期間を区切って、一定期間働いて帰っていただく」とし、具体例として地方のコンビニを挙げ、「そこにそれだけコンビニ要りますか?」などと発言。「いかに単純労働を機械やAIに置き換えていくかを、もっと全力でやらないと、安易に単純労働者を受け入れて外国人を増やして社会を回すことは、社会全体の活力を奪う」などと述べました。

 神谷氏は、「(外国人労働者は)移民として永住するのではなくて、期間限定の労働者としてしっかりルールを守って働いていただく」とし、「国益にかなう受け入れ方」を強調しました。