(写真)2021年の総選挙後、TM特別報告に「私たちと近いキーパーソン」と記載された政治家たち(着色は編集局)
統一協会(世界平和統一家庭連合)の内部文書「TM特別報告」に、総選挙で自民党に公認された候補者のうち28人が、協会と関係ある議員として紹介されていることが本紙の調べで分かりました。文書によると、支援した議員らの選挙結果を韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に逐一報告していました。統一協会は韓総裁のもとで世界各国を宗教的に統治するために活動しています。そんな協会が自民党を通して日本政治に介入することは主権侵害にあたります。
この文書には、安倍晋三元首相、高市早苗首相、岸田文雄元首相をはじめ50人以上の国会議員経験者が出てきます。うち2月8日投開票の総選挙で自民党が公認した前職、元職は少なくとも28人います。
日本協会側が韓総裁に国会議員の状況を報告するのは、主に▽国政選挙の情勢と結果▽協会やダミー団体の大規模行事▽自民党総裁選と閣僚や党役員人事―の三つです。
2021年10月の総選挙後には、日本協会の徳野英治会長(当時)が韓総裁に、「約279名の自民党議員を中心とした国会議員を応援した」と報告。その上で安倍元首相や萩生田光一幹事長代行、山際大志郎元経済再生担当相を含む14人の政治家を「私たちと近いキーパーソン」として記載していました。
キーパーソンの一人とされた牧島かれん元デジタル担当相は、13年に韓総裁と面会して以降、協会と交流を重ねてきたとされています。本紙の取材に牧島氏は「総裁と面会した記録も記憶もない」としています。
協会関連行事では、19年に米国の投資家を招いた福岡市での講演会に沖縄1区候補の国場幸之助元国土交通副大臣と原田義昭元環境相が参加したとされています。
18年には統一協会のダミー団体「国際勝共連合」が設立50周年大会を開催。勝共連合の梶栗正義会長(当時)は、大会に現職国会議員は50人、代理の秘書らが44人参加したと誇らしげに紹介しています。高市内閣の小林茂樹文部科学副大臣もこの大会に参加し、感想を寄せたとされています。
梶栗氏は大会に議員を招く狙いを、教祖・文鮮明と妻の韓総裁の「思想と、み言(教えのこと)に基づいた政策が国政の場で展開されるよう環境を用意してきた」と述べています。協会の教えを日本の国政で実現するという露骨な表現です。
21年の自民党総裁選では、高市首相が安倍元首相の後継者として協会に期待されていました。文書は高市総裁誕生が「天の最大の願い」としています。
高市首相と自民党はTM特別報告の存在が発覚した後も、統一協会との癒着を解明しないまま公認してきました。総選挙でその姿勢が問われます。
(統一協会取材班)
「TM文書」記載の自民公認候補
統一協会の内部文書「TM特別報告」に記載された政治家のうち、総選挙で自民党が公認した候補。
高木宏寿元復興副大臣(北海道3)
土井亨元国交副大臣(宮城1)
御法川信英元国交副大臣(秋田3)
牧島かれん元デジタル担当相(神奈川17)
山際大志郎元経済再生担当相(神奈川18)
山田美樹元環境副大臣(東京1)
下村博文元文科相(東京11)
萩生田光一幹事長代行(東京24)
長島昭久元防衛副大臣(東京30)
斎藤洋明元財務副大臣(新潟3)
工藤彰三元内閣府副大臣(愛知4)
繁本護元財務政務官(京都3)
武村展英元農水副大臣(滋賀3)
柳本顕元環境政務官(大阪3)
関芳弘筆頭副幹事長(兵庫3)
小林茂樹文科副大臣(奈良1)
高市早苗首相(奈良2)
逢沢一郎総務会長代行(岡山1)
山下貴司元法相(岡山2)
加藤勝信元官房長官(岡山3)
岸田文雄元首相(広島1)
平井卓也元デジタル担当相(香川1)
鳩山二郎元内閣府副大臣(福岡6)
武田良太元総務相(福岡11)
古川康元国交副大臣(佐賀2)
国場幸之助元国交副大臣(沖縄1)
細田健一元経産副大臣(比例東海)
保岡宏武元衆院議員(比例九州)

