高市早苗首相は解散表明にあたり、「全く新しい経済・財政政策」「重要政策の大転換」と繰り返し強調しました。停滞した日本経済や生活困難の転換を求める国民感情に訴える狙いです。しかし実体は、改革でも転換でもなく、失敗が明らかな従来の自民党の政策・路線を、批判もおかまいなく、いっそう突き進もうという危険な宣言です。
高市首相は「本丸は『責任ある積極財政』」「行き過ぎた緊縮財政を転換する」と強調します。実体はどうか。
首相は「経済・財政政策の大転換」と言う一方で、「アベノミクス」の後継者を自任します。安倍政権をはじめ自民党政権がやってきたのは、一握りの大企業と大資産家の優遇です。国民に消費税増税をかぶせる一方で、大企業にはいまや年11兆円にのぼる大減税、特定大企業に公的資金をつぎ込んできました。
■経済停滞招いた
異常な金融政策でマイナス金利にしたことで円安が進み、輸出大企業は巨額の利益を上げましたが、輸入に頼る食料品やエネルギーが高騰、実質賃金は下がり、日本経済は停滞しました。
「行きすぎた緊縮財政」が押し付けられてきたのはもっぱら国民生活です。社会保障の自然増を抑制し、中小企業対策・教育・農業予算は物価上昇に及ばず実質マイナスにされてきました。
高市首相は、「積極財政」の名でこれまで以上に大規模に大企業への「放漫」なバラマキと大軍拡を進める一方、社会保障は「緊縮」、自民党政治の害悪をいっそう拡大します。財政悪化の懸念から急激な円安と金利上昇が起き、国民生活や市場に不安感が広がっても、「物価対策はご心配いただくことはない」「(市場の動きに)コメントすることはない」と批判を無視します。
安全保障政策でも、安倍元首相が強行し岸田文雄政権が具体化した安保法制・安保3文書=憲法を空洞化し専守防衛も投げ捨てて「米国のために戦争する国」をつくる道をより強硬に進む構えです。
暮らしのための改革を望む国民の声に応えるポーズで高市首相が突破を狙うのは、憲法改正、「スパイ防止法」制定、非核三原則見直し、殺傷兵器の全面輸出など、「戦争しない国」から「戦争する国」への転換です。
「改革」の実体を隠して強引な総選挙をし、「信を得た」として「国論を二分する」問題に強権を振るうやり方を許すわけにはいきません。
■真の転換の方向は
日本の経済を成長させ国民の暮らしをよくする真の改革は、▽大株主・大企業応援から暮らし応援に転換し、富の集中を正し賃上げ・時短を実現。大企業・大資産家に公正に課税し、米国言いなりの大軍拡をやめて消費税を減税・廃止し、暮らしの予算を増やす▽米国言いなりでなく外交の力で平和をつくる日本に転換し「戦争する国」を許さない▽差別と分断でなく人権が尊重される政治にする―という、自民党政治そのものの大転換です。
そのためには、自民党政治に正面から対決する日本共産党の議席を増やすことが、いまどうしても必要です。

