マルクス研究者の斎藤幸平・東京大学准教授は、19日に生配信されたインターネットメディアReHacQ(リハック)の討論番組で、立憲民主党と公明党による中道改革連合結成に懸念を表明し「本来つくるべきは左派の軸だ」と主張しました。
中道の動きについて斎藤氏は、政治的な選択肢を「右寄りの形での二項対立」として作り、左派を「切り捨てた」と指摘。リベラル左派勢力として、日本共産党、れいわ新選組、社民党、気候変動やジェンダーの問題に取り組む社会運動などを挙げ、これらが切り捨てられれば、さらに右傾化が進むと懸念しました。
斎藤氏は、安保法制と原発再稼働の容認が中道の参加条件になっていると批判。米ニューヨークで民主的社会主義者を名乗るマムダニ市長が誕生するといった世界の動きに触れ、中道ではなくリベラル左派の人気を高める選択肢もあったはずだと述べました。
リハックプロデューサーの高橋弘樹氏に「中道を応援できるか」と問われ、斎藤氏は「私は左派だから中道にはコミットしない」と否定しました。世界では、極右でも極左でもない位置をアピールする中道勢力に対し「極中道(エキストリーム・センター)」という批判的な言葉が向けられていると紹介。中道では社会の停滞は変わらず、右派が勢いづく一方、左派が排除されるので「対立軸がどんどん右にずれ、最終的にはある種のファシズム体制になる」と警告しました。
立民結党の経緯にも言及。福島第1原発事故以降、原発再稼働や安保法制を認めず、市民とスタートしたのが立民だと述べ、中道の結成に失望感を示しました。
斎藤氏は、日本共産党に向けられがちな「党名を変えたら」との意見に対し、理念を捨てて党名を変えれば「極中道にのみ込まれる」と指摘。「共産党とか共産主義がもつ理念を追求することなしに、中道改革みたいにしたって誰も投票してくれない」と主張。マムダニ氏が家賃高騰対策などの大胆な政策を打ち出せたのも「社会主義」という理念があるからこそだと述べ、「誰かが(左の)軸を打ち続けなければ」と強調しました。

