突然の解散・総選挙の動きの中で突如、結成された立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」。「右傾化がすすむ政治状況のなかで中道主義の大きな塊をつくる」(斉藤鉄夫公明代表)としますが、高市早苗政権の暴走に対抗する勢力となりえるのか―。綱領や基本政策をみると、自民党政治を追認する姿が浮き彫りになります。
「中道」の政治的立場の際だった特徴は、くらしの問題でも、平和の問題でも、自民党政治への批判がまったくないことです。
それは、26年もの長期間、「自公政治」の与党として自民党政治を補完・推進してきた公明党の理念や政策をベースにしているからです。
公明党は「新しい党の綱領も、公明党が示したものがベース」(斉藤代表)、「公明党の考え方をベースに両党で協議し、修正・加筆した」(西田実仁幹事長)とあけすけに説明しています。
■安保法制を合憲と
「中道」が自民党政治とどういう距離にあるか、端的に示すのが、安保法制に対する態度です。
安保法制について「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」(基本政策)と明記し、全面容認しています。「公明党が作った平和安全法制は、日本の安全保障上で大きな役割を果たしている」(斉藤代表)という認識を前提にしています。
安保法制は、それまで政府も憲法違反としてきた集団的自衛権の行使に踏み込むもので、日本が武力攻撃されていなくても米国の戦争に日本が参戦するものです。
これは国政の根本問題であり、自民党政治と国民との最大の対決点です。高市首相の「台湾有事」発言が日中関係の緊張を高めているように現在、いよいよ重大な問題になっています。このときに安保法制に反対し、「市民と野党の共闘」の有力なメンバーとして闘いに加わってきた立憲民主党が党を解体し、「中道」に参加することで安保法制反対の旗を降ろしたのです。
「中道」の基本政策発表の会見では、集団的自衛権の行使を合憲とした2014年の閣議決定も「撤廃を求めない」と説明、辺野古新基地建設についても追認しています。
原発再稼働も「安全性が確実に確認され」などと条件をつけているものの容認しています。政治とカネでは、焦点になっている企業・団体献金の禁止を取り下げ、「受け手制限規制の強化」とするだけです。
■政治を転換する力
立憲民主党の態度は、ともに声をあげた市民への背信といわなければなりません。
「中道」が自民党政治を変える力にならないのは明らかです。さらに自民党政治との対決軸をあいまいにし、国民の闘いを鈍らせることにつながります。自民党政治を追認し、自民側に政界の軸を移すことは、“せめて高市政権の暴走をストップさせたい”という期待をも裏切ることにならざるをえないでしょう。
高市政権の暴走をストップし、さらに政治を転換させる力は、自民党政治と対決する国民の闘いであり、共産党が総選挙で躍進することです。

