自身をけなして笑いを取る自虐ネタが、優れて今を切り取るものになることも。昨年末、漫才の日本一を決めるM―1決勝の舞台でのことです▼ある漫才コンビがスマートフォンを使わない時間をつくると自分と向き合う時間が増える、という話を披露。相方が自己啓発セミナーの講師のような口調でスマホ断ちをすすめても、相手役は「やらない」と言い切ります。その理由はこうです。「40歳、独身。貧困層に属します。こんな自分と向き合うのが怖いんです」▼たしかに、1日中スマホをいじっていれば、嫌なことも忘れて好みの動画を見て時間を過ごすこともできます。「現実を直視する勇気はない」からスマホを手放せない。そんな赤裸々な告白に共感する人もいたのではないでしょうか▼くらしの貧困に追い詰められての深刻な事件が相次いでいます。年明けの6日、福岡市のマンションで母親と2人の幼い子どもが亡くなっていました。家賃の滞納が続いていたといい、生活が困窮して無理心中の可能性があるとも▼東京では家賃を滞納した男性が、強制執行のために訪れた人を刃物で死傷する凶行に及びました。家を追い出されると金もないし、自暴自棄になったと供述していると。貧困や生活苦は人々を極限まで追い込んでいます▼今こそ政治が、の矢先に高市首相は解散・総選挙へ。国民の生活よりも、党利党略をむき出しに。生活保護をはじめ社会保障を削って国民に負担を強いてきた自民党。向き合うべきは、その政治です。
2026年1月19日

