高市早苗内閣の閣僚19人が2021~24年の4年間に集めた企業・団体献金が、合計約31億1600万円にのぼることが本紙の調べで分かりました。このうち政治資金パーティーによる収入が65%を占めます。高市首相は、昨年の臨時国会で政治腐敗の根源である企業・団体献金の規制について、「そんなこと」と言い放って背を向けました。しかし自身が閣僚に任命した議員が巨額の企業・団体献金を集めてきた実態が明らかになったことで、その姿勢があらためて問われます。(三浦誠)
本紙は総務省と都道府県選挙管理委員会が公開した現閣僚の関係政治団体の政治資金収支報告書を21年から4年分調査しました。各閣僚が持つ複数の政治団体間で献金のやりとりがあった場合は除外して集計。パーティー収入は事実上の企業・団体献金にあたるため合計額に含めました。
2億円超9人
4年間で2億円を超えた閣僚は9人。1位は茂木敏充外務相で約4億6200万円。2位が林芳正総務相の約4億400万円。3位は小泉進次郎防衛相で約2億5700万円。高市首相は4位で約2億3300万円を集めていました。1~4位まではいずれも自民党総裁選に複数回出馬しています。集金力の高さが自民党内での影響力の大きさに比例している形です。
高市氏は企業・団体献金を自身が代表の自民党奈良県第2選挙区支部で集めていました。このうちパーティー収入は49%です。高市氏の支部は24年に政治資金規正法が定めた上限を超える献金1千万円を鳥羽珈琲(東京都)から受けていました。高市氏は問題があることを認め、上限を超えた分の250万円を昨年11月に返金したとしています。 パーティーは自民党派閥による裏金事件で、裏金をつくる“装置”であることが明らかになりました。パーティー収入だけでみると1位が茂木氏の約2億7000万円、2位が林氏で2億6600万円でした。パーティー収入上位の閣僚は1年間に複数回のパーティーを開く手法をとっています。林氏は23年の1年間で12回もパーティーを開いていました。
透明度がゼロ
他方、企業・団体献金のうちパーティー収入が占める割合の高さでみると1位が片山さつき財務相で97%。2位は小泉氏と松本尚デジタル担当相の83%です。
パーティーだけで片山氏は約2億1900万円、小泉氏が約2億1200万円、松本氏は約1億6600万円を集めています。しかしいずれもパーティー券購入者名がまったく出ておらず、透明度がゼロになっています。
パーティー券の購入者名が収支報告書に記載されるのは現行20万円超からです。このため収支報告書に記載されたくない企業はパーティー券購入を事実上の献金とする傾向があります。
腐敗根絶へ企業・団体献金禁止が必要
神戸学院大学の上脇博之教授の話
高市早苗内閣の閣僚が4年間で31億円超もの企業・団体献金を集めていることに驚きました。これをみると自民党が企業・団体献金に頼っている実態がよく分かります。
自民党は政治資金収支報告書に記載される表の政治資金は潤沢にあります。それにもかかわらず派閥はパーティーで裏金をつくりました。表に出せない買収などで使う裏の金が必要とされているからでしょう。
これらを踏まえると、政治資金パーティーや企業・団体献金の規制に後ろ向きな理由が見えてきます。政治腐敗を根絶するためにはパーティーを含めて企業・団体献金の禁止が必要です。

