「維新の維新による維新のための選挙」(日本共産党の駒井正男大阪府委員長)と言うしかありません。突然の総選挙に便乗し、吉村洋文大阪府知事(日本維新の会代表)と横山英幸大阪市長(同副代表)は、大阪都構想への再挑戦の是非を問うとして辞職し、総選挙と同時に出直し選挙をおこない、再立候補する―。まったく大義のないダブル選挙は、選挙を私物化する、あまりにも身勝手な暴挙です。
■大阪の市民を愚弄
吉村氏がダブル選挙を仕掛けたのは、維新の会の相次ぐ不祥事、藤田文武共同代表の「公金還流」問題、維新地方議員の「国保逃れ」などの追及から逃れるためです。なかでも物価高騰で苦しむ国民の怒りが集中しているのが「国保逃れ」です。国民には「身を切る改革」として医療や社会保障を切り捨て、負担増を強いながら、維新議員たちは脱法的手法で国保逃れを広くすすめていたのです。
さすがに6人を除名にしましたが、維新の調査では364人が社会保険に加入しています。問題の全容を明らかにすることが求められ、維新の体質が問われています。高まる批判をごまかすためにダブル選挙を仕掛け、大阪都構想を持ち出し、話題をすりかえようとしているのです。
しかし、大阪都構想を持ち出すこと自体、大阪市民を何重にも愚弄(ぐろう)するものです。
大阪都構想は、大阪市をなくし、住民サービスを低下させるもので、2015年と20年の2回の住民投票で否定された決着済みの問題です。吉村氏自身、「大阪市を残したい市民の思いの方が強かった。大阪都構想は間違っていたのだろう。都構想に挑戦することはもうない」とのべていました。
ところが自民・維新の政権合意は、副首都構想の実現を明記。吉村氏は大阪が副首都になるために、大阪市を廃止して特別区に再編する都構想が「必要最低の条件」だと主張してきました。
しかし副首都構想も、新たな大阪都構想も、その中身がなんら明らかになっていないまま、突然の総選挙に便乗して選挙し、信任されたと押し切ろうとするのは、大阪市民をないがしろにした暴挙以外のなにものでもありません。
さすがに維新内部からも「もはやメチャクチャですね」(維新関係者)と反発が相次いでいます。前共同代表の前原誠司衆院議員も「(ダブル選挙を)する意味が分からない」と苦言を呈しています。
維新の会大阪市議団の緊急総会では、「大義が見えない」「なぜ今の時期なのか」との意見が多数あがりました。両院議員総会ではダブル選挙に賛成4人に対し反対26人というありさまでした。党内の議論にさえ耐えないものを押し切ったわけです。
■追い詰められた姿
ダブル選挙をめぐる動きは、維新が政党としてまともな判断や対応ができないところまで追い詰められ、混乱している姿を浮き彫りにしています。平和や民主主義を破壊する突撃隊としての危険とともに、住民無視、選挙の私物化という体質を見せつけました。総選挙できびしい審判を下そうではありませんか。

