日本維新の会の吉村洋文代表と横山英幸副代表が住民投票で2度否決された大阪市廃止の都構想への3度目の挑戦を掲げて急きょ知事・市長を辞職しての「出直しダブル選」に踏み出しました。大義も道理もない党略的行動が深刻な矛盾と混乱に陥っています。
来春にも統一地方選を控えているのになぜいま出直すのか、都構想は決着済み・いままでと何が違うのか、短期間の選挙戦で住民が十分に判断できるのか―。こうした府民の疑問・批判に吉村氏は15日、「自分のなかで都構想が必要だという思いがふつふつとあった」などと述べるだけでまともな説明ができませんでした。
都構想は2015年、20年に大阪市での住民投票で否決され、吉村氏も20年に「政治家として挑戦することはもうない」と明言。解散・総選挙に乗じてお墨付きを得ようというのは市民への愚弄(ぐろう)と言わざるを得ません。
15日には維新の大阪市議団からも異論が噴出。団総会で、現市議は先の統一地方選で都構想を明確な公約として当選したものではなく、都構想に向けた協定書の議論をする立場にないとする決議をあげました。
維新国会議員団も紛糾。松沢成文参院議員はXで「総選挙と同時に再選挙などという暴挙は止めよ」と発信。「今日(15日)の国会議員総会で大反対論をぶった。最後に決をとったら、反対多数」と明かしました。吉村氏が、同日の大阪維新の会議でも「厳しい意見のほうが多かった」と明かすなど矛盾・亀裂は深まっています。
一方で維新には「国保料逃れ」の疑惑が突きつけられており、党への批判が高まる中での出直し騒動に「批判そらしではないか」との声が上がっています。物価高から暮らしを守るまともな対策はなく、決着済みの都構想に固執し、疑惑から目をそらすかのような選挙に打って出る姿勢には政治の私物化との批判を免れません。(藤原直)

