(写真)萩生田光一自民党幹事長代行の選挙区内にある統一協会の施設=東京都八王子市内、1月撮影
統一協会(世界平和統一家庭連合)の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁への報告文書「TM特別報告」を読むと、協会が内閣の要である内閣官房長官との関係を政界工作で重視していることがわかります。
「加藤勝信前厚生労働相が官房長官に起用されました。(中略)本人との間に直接的な接点がほとんどなく、新たな渉外・開拓が必要です」
徳野英治・日本協会会長(当時)は、菅義偉内閣の官房長官人事をそう報告(2020年9月18日)しています。
報告では「首相の立場からすれば、女房のような存在である官房長官には、最も信頼できる人物を置きたいもの」と説明。協会が首相に接近していく上でも官房長官人事に特別の関心を払っていることがうかがえます。
そんな統一協会が官房長官に最も望んでいたのが、萩生田光一・自民党幹事長代行です。「もし萩生田官房長官が実現すれば、私の(渉外などの)仕事も非常にスムーズに進めることができ、天の摂理(協会の政治工作)にとって大きな助けとなるだろう」と述べていました。
なぜ統一協会はここまで萩生田氏を推すのか―。それは「これまで5回、安倍(晋三)首相と会いました。すべての面談を仲介してくれた」実績があるからです。
萩生田氏が統一協会につないだ有力者は他にも。19年には当時の岸田文雄・自民党政調会長とギングリッチ・米国元下院議長の面談に際し協会ダミー団体「天宙平和連合(UPF)」の梶栗正義会長が同席しました。報告(21年9月7日付)は「萩生田文科相の仲介により面談を行いました」としています。
そんな萩生田氏に、協会は「世界平和国会議員連合」(IAPP)の会長就任を打診します。衆院議長になるため会長を退任することになった細田博之氏の後任としてです。
当時の岸田内閣(21年10月発足)で、経済産業相だった萩生田氏は「大臣任期が終われば喜んで引き受ける」と約束したと、文書はつづっています。
安倍氏銃撃事件が起きた22年7月。国民の関心が、協会と自民党議員の接点に集まります。協会との関係を問われる中で、「萩生田大臣は、否定もせず、かといって正直に話すこともせず、賢明にメディアに回答しました」と絶賛。さらに文書は「私たちには隠密に、『私は大丈夫です。(中略)それより今、そちら(協会)が大変ですね。どうぞよく耐え抜いてください』と激励している人物です」と紹介しています。
高市早苗首相は、裏金づくりで要職を外れていた萩生田氏を幹事長代行に起用して復権させました。その姿勢からは統一協会と自民党の癒着に対する反省はみえません。(統一協会取材班)

