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2026年1月16日

きょうの潮流

 健康保険法は第1次世界大戦後の経済不況や労働争議の激化を背景に1922年に制定されました。関東大震災があり、施行は27年1月。これが日本初の公的医療保険制度の始まりです▼当時の実務者向けの手引き(26年9月発行)を国立国会図書館のデジタルコレクションで見つけました。同法施行規則の付録として「被保険者証」の様式が掲載されています。“紙の保険証”の元祖です▼二つ折りの冊子で、表紙には住所、氏名、生年月日、性別、資格取得日、業務種別、工場の名称・所在地を記載。中面は受診歴の記載欄です。裏表紙に8項目の注意事項。「此(こ)の証は健康保険の被保険者であるといふ証であるから大切に持つてゐなければなりません」と▼筆者が子どもの頃の紙の保険証も様式がよく似ていました。表紙を見るだけで資格情報を確認できます。両親とも昼間働いていたので、かぜをひくと一人で保険証を握りしめて近所の診療所を受診しました▼「マイナ保険証」は“保険証”という通称とは裏腹に、表裏をいくら見渡しても保険証かどうかわかりません。カードリーダーで読み取らないと医療保険の資格を確認できない。2万円分のマイナポイント目当てにとりあえず急ぎ保険証を登録し、それを忘れてしまっていることも▼このままでは従来の保険証は今年4月以降使えなくなります。デジタル化を否定するつもりはありません。ただ、「マイナ保険証」は自分の命と健康を守るための「証」としてふさわしいでしょうか。