高額な保険料に苦しみながら、まさに身を切るように保険料を納める多くの人を尻目に、脱税に等しい脱法的な手法で高い国保料の支払いを逃れていた―「身を切る改革」「社会保険料を下げる改革」を掲げる日本維新の会の議員たちです。悪質であり議員の資格はありません。
維新は、党員議員・首長らの実態調査の中間報告(7日)で、複数の所属議員が「国保逃れ」をしていたことを認めました。
■党全体が問われる
党としての組織的なものではないと釈明しますが、調査に答えた803人中45%が、本来入るべき国民健康保険(国保)ではなく社会保険(社保)に加入していました。
自営業者や年金生活者、非正規の人などが入る国保の保険料は、会社員などが入る社保に比べ非常に高額です。また、保険料は収入に応じて決まる応能負担が原則なので、議員報酬に基づくと保険料が高くなります。
そこで、兵庫県の地方議員4人が「栄響連盟」という一般社団法人の理事となることで社保に加入し、理事の報酬を低額に設定して保険料を最低水準に抑えていました。
栄響連盟の代表理事は維新の衆院議員の元公設秘書。類似の法人に別の4人がかかわっていました。19人がこれらの法人から保険料削減目的で勧誘を受けたことがあり、13人は維新関係者から勧誘されました。東京維新の会のライングループでは、元区議が昨年7月、国保逃れの手法を提案していました。維新全体の問題というほかありません。
同党の中司宏幹事長は、維新内に「国保逃れ」の手法が広がっていたと認めます。しかし自浄作用はなく、党外から告発されて調査に追い込まれました。「改革」を語る資格はまったくありません。
「国保逃れ」は応能負担の原則に反し、制度の持続性を揺るがしかねない不正です。一方、維新は「公平な応能負担の実現」「社会保障制度を持続させるため」として医療費4兆円削減を要求し、高齢者や患者の負担増を迫っています。許されない二枚舌です。
■率先して保険料増
国保には「均等割」「平等割」など社保にはない仕組みがあり、子どもが多いほど保険料が高くなり、低所得でも負担が課されるなど、社保の約2倍(4人世帯)の保険料です。こうした制度を改めることこそ首長や議員の役割です。日本共産党はこれらを廃止し、国費を増額して国保料を下げよと求めてきました。
ところが、維新が知事の大阪府と奈良県は、自民党政権の国保料負担増政策である「国保の都道府県化」「都道府県内統一保険料」を真っ先に実施し、市町村独自の国保財政への補助や低所得者への減免をやめさせました。2024年度、大阪府では統一保険料化で全自治体が値上げになりました。「身を切る改革」どころか、維新が切っているのは社会的弱者です。
維新は調査を続けるとしますが、党全体が問われており解散・総選挙の前に有権者に全容を明らかにすべきです。どさくさ紛れの大阪府・市ダブル首長選で、この問題をごまかすことは許されません。

