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2026年1月15日

きょうの潮流

 掲載禁止令が解かれた新聞の号外には、こんな見出しがおどりました。「石田男爵等三十八名の大学生の不敬事件 京大同大を初め関東関西に跨(またが)る 治安維持法違反最初の重大事」▼100年前の今朝でした。京大と同志社大の社会科学研究会の学生が一斉に検挙されました。京大教授の河上肇や同大講師だった山本宣治も家宅捜索をうけ、鈴木安蔵や野呂栄太郎らの検挙も相次ぎました▼治安維持法が国内で初めて適用された京都学連事件です。石田男爵とは、祖父から爵位を継いだ石田英一郎のことで後の文化人類学者です。事件の背景や弾圧された人たちについては昨年刊行された『レジスタントの京都』に詳しい▼公正で平等な社会、学問の自由や大学の自治を求めたことで標的とされた学生や教授。人間であることを否定する悪法は、侵略戦争と軌を一にして国の内外で犠牲者を拡大し、言い尽くせぬほどの苦痛をあたえ続けました▼しかしいまだ、この国家犯罪の被害者にたいする政府の反省も謝罪もありません。それどころか、秘密保護法や共謀罪、学術会議への介入、高市政権が狙うスパイ防止法をはじめ形を変えた「現代の治安維持法」が次々と▼当時京大生で京都学連事件の被告となった鈴木安蔵は戦後、憲法研究会のメンバーとして「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と憲法に明記させました。抑圧されながら民主主義と自由の発展に貢献した多くの人びと。その志は世紀をこえ、今に生きています。