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2026年1月12日

2026年 日本共産党は政治にどう臨む

NHK「日曜討論」 田村委員長の発言

 日本共産党の田村智子委員長が11日のNHK「日曜討論」の「党首に問う」で行った発言は次の通りです。司会は山下毅解説委員と上原光紀アナウンサーです。


 上原 続いて日本共産党の田村委員長です。よろしくお願いします。

 田村 よろしくお願いします。

衆議院解散

攻勢的に構え、新しい政治の展望語る

 山下 通常国会の冒頭解散の見方が広がっていますけれども、どう受け止めますか。

 田村 高市政権はうわべでは高い支持率を得ていますが、実際には国民の要求との関係、あるいは世界の動きとの関係で大きな矛盾を抱えています。この高いうわべの支持率に頼って、反動的に情勢を打開する可能性があると(これまでも)見てきました。

 報道も受けて、攻勢的に構えて、大いに国民のみなさんの中に新しい政治の展望を語りながら準備を進めていきたいと考えています。

経済対策

株主奉仕のゆがみ正し、国民への再分配で暮らしの安心を

 上原 新年度予算案についてはどう評価しますか。

 田村 いま物価高から暮らしを守るには、何といっても大幅賃上げをやらなければならない。ところが、その時に高市政権は、最低賃金1500円という目標を投げ捨ててしまいました。昨年の参院選で国民が求めたのは消費税の減税ですが、これもやらない。

 その一方で、史上最高の軍事費、そして大企業には巨大な支援。その財源はといえば、大量の国債発行です。これがすでに円安を招き、経済に混乱をもたらしているという事態にもなっています。これは誰にとっての「強い経済」なのか。暮らしにとっては、全く強い経済にはならないと思います。

 いま、日本の経済には大きなゆがみがあります。株価がつり上がればいい、株主の配当を増やせばいいと、「大株主資本主義」とも言えるようなゆがみが生まれていると思います。アベノミクス以降の12年間で、大企業の純利益は3・5倍、株主への配当は2・8倍です。驚くのは、株価つり上げのための自社株買いに注ぎ込んだ資金は9倍にもなっています。だけど賃金は全く上がっていない。

 このゆがみをどうやって正していくのか。税制や社会保障、国民に対する再分配で、暮らしの安心をどうつくっていくのかという大きな方針を持った予算や経済政策が今こそ求められている時だと考えます。

国際問題

展望なく、危機と対立をあおるのは愚かな外交

 山下 日米関係、日中関係など日本外交の在り方についてはどう考えますか。

 田村 1月3日に米国トランプ大統領がベネズエラへの軍事侵略を行いました。どんな理由があっても、主権国家に軍事侵攻して、そこの指導者を連行するなどということは断じて認められない。明らかな国連憲章・国際法違反です。

 しかも、トランプ大統領は、アメリカの利益のためだと、石油利権のためだということをあからさまに言っています。これはベネズエラだけではなく、さらに中南米へ、グリーンランドへと狙いを広げています。

 こういう国連憲章や国際法、あるいは平和の国際秩序を壊しにかかっているトランプ政権に対して、なぜ日本政府が一言の批判もしないのか。それは、これまで日本政府が言っていた「力による支配はダメだ」、あるいは「法の支配が大切だ」という外交姿勢をも否定することになってしまう重大な問題です。

 そして日中関係でいえば、高市早苗首相の「台湾発言」によって、日中関係が極度に悪化した。これが外交失態であるということはもう明らかです。いま、経済界からもこの「台湾発言」に対しては厳しい批判の声が起きてきています。

 やはりこれは撤回し、1972年の日中国交正常化の時の共同声明、「互いに脅威とならない」と合意した2008年の共同声明をはじめ、重要な共同文書を再確認して、日中関係の再構築を図る以外に道はないと思います。

 こうした展望もなく、軽々に中国の危機をあおる、対立をあおるということをやるのはあまりに愚かな外交だと思います。中国の危機をあおって、「大軍拡だ」「長射程ミサイル配備だ」というように進んでいくことも、極めて危険な政治の道だと言わなければなりません。

安全保障

9条の原点に立ち、平和構築の外交を戦略的に

 上原 安全保障政策をめぐる議論にどう臨んでいきますか。

 田村 今年の年頭にあたり、国連のグテレス事務総長が「軍縮」を呼びかけています。国際秩序が崩される、世界が「軍事対軍事」のエスカレーションになっていく。その時に、日本国憲法9条を持つ日本はどういう立場で臨んでいくのか、その原点に立つべきだと思います。

 「軍事対軍事」のエスカレーションではなく、憲法9条に立った平和の外交をどうやって進めていくのか。その大戦略を持つべきです。

 私たちはASEAN(東南アジア諸国連合)にも学んで、どこかの国を敵対・排除という関係をつくるのではなく、北東アジア、東アジア、全ての国を包摂した対話の枠組みをつくろうと提案しています。この枠組みをすでにASEANがつくっているのですから、ASEANとも協力した平和の構築のための外交に戦略を持って臨んでいくべきだと考えます。

政治改革

民意切り捨てる議員定数削減は断固許さない

 山下 議員定数削減や選挙制度をめぐる議論をどう進めるべきだと考えますか。

 田村 本来求められる政治改革は「政治とカネ」の問題をどうするのかということです。新たに統一協会から290人も自民党(議員)が支援を受けていたということも明らかになった。こういう問題に対して、どうやってメスを入れて改革をするのかが求められている時に、これをやらないために持ち出されたのが議員定数の削減だと言わざるを得ません。

 なぜ削減するのかという理由すら示すことができていません。OECD(経済協力開発機構)諸国を見ても、日本は決して議員の数は多くありません。むしろ少ない方です。議員定数削減は、国民の民意を切り捨てる、政府への監視機能も弱めることになります。他党とも力を合わせて断固許さないという立場で臨んでいきたいと思います。