高市氏も報告に32回登場
韓国メディアが昨年末、統一協会(世界平和統一家庭連合)の徳野英治会長(当時)が韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に、2021年の総選挙で自民党だけで290人を応援したと報告していたことなどを報じ、波紋を呼んでいます。高市早苗首相自身の名前が32回登場するほか、政権の中枢に統一協会と「接点」を持つ議員がズラリと名前を連ねています(表参照)。通常国会冒頭での衆院解散が報じられるなか、高市首相と自民党には、統一協会との癒着関係について改めて説明責任が問われます。(藤沢忠明)
同総選挙に自民党は小選挙区と比例にあわせて336人(重複含め)を擁立しました。「290人」といえば86・3%、自民党がほぼ丸ごと統一協会の支援を受けていたことになります。徳野氏は8日、X〈旧ツイッター)に韓総裁への報告は認めつつ、「(290人は)誇張があった」としています。
22年の安倍晋三元首相銃撃事件を受け、岸田文雄首相(当時)は同年8月、統一協会との「関係を絶つ」とし、所属国会議員について「調査」をおこない、179人に何らかの接点があり、このうち121人の氏名を公表しました。
見過ごすことができないのは、「関係を絶つ」と“宣言”したにもかかわらず、高市首相が、昨年の自民党総裁選で推薦人(20人)に7人も統一協会との「接点」を持つ議員を並べ、当選後、自民党執行部や閣僚など政権中枢に「接点」議員を多数登用したことです。政調会長代理の長島昭久衆院議員は、統一協会の元信者だったことを認めました。閣僚、党執行部以外にも、副大臣8人、政務官3人が「接点議員」です。
自民党の22年の「調査」は自主申告という不十分なもので、高市氏の名前はありませんでした。しかし、高市氏は、初当選後の1994年から01年まで少なくとも5回も統一協会と関わりの深い日刊紙「世界日報」に登場しています。
高市政権は、日本維新の会との連立合意で、統一協会側が執念を燃やして運動してきた「スパイ防止法」の制定に、維新とともに前のめりの姿勢を示していますが、統一協会との密接な関係について、再調査をおこない、国会で説明することが求められています。
萩生田氏は…
自民党との癒着関係を浮き彫りにした統一協会・徳野会長の報告書には、萩生田光一幹事長代行の名前も出てくるとされます。
萩生田氏は、統一協会主催の会合に出席したり、選挙ボランティア支援を受けたことなどが判明しているにもかかわらず、高市自民党総裁によって、幹事長代行に登用されました。
韓国メディアによると、19年7月2日、安倍自民党総裁(当時)と面談し、参院選で北村経夫候補(現・自民党広報本部長代理)を応援する決意を伝えた際、徳野会長は、同席した萩生田氏にエルメスのネクタイを贈呈したといいます。
萩生田事務所は、この点について、本紙の問い合わせに回答を寄せませんでした。
統一協会との「接点」を持つ閣僚、自民党役員ら
高市 早苗 首相 「世界日報」に複数回登場
林 芳正 総務相 関連団体の関係者と面会
松本 洋平 文部科学相 関連団体に会費支出
上野賢一郎 厚生労働相 関連団体に会費支出
赤沢 亮正 経済産業相 関連団体の会合に出席、あいさつ・講演
石原 宏高 環境相 関連団体の会合に出席、あいさつ
木原 稔 官房長官 関連団体の会合に出席
城内 実 経済財政相 統一協会系企業のイベントに祝電
小林 鷹之 政調会長 関連団体の会合に出席
萩生田光一 幹事長代行 統一協会主催の会合出席、選挙ボランティア支援
長島 昭久 政調会長代理 統一協会の元信者
山本 順三 参院政策審議会長 関連団体の会合に出席
磯崎 仁彦 参院国対委員長 統一協会主催の会合出席
北村 経夫 広報本部長代理 選挙支援 関連団体の会合に出席
《注》自民党自身の「点検」、本人の会見などで作成

