衆院解散・総選挙への動きが急浮上しました。「読売」10日付が「首相、衆院解散検討」の大見出しで23日に召集される「通常国会の冒頭に解散」「2月上中旬投開票」の見通しを報じました。他方、連立を組む日本維新の会の関係者や自民党内からは「全く知らない」と疑問や怒りの声も出るなど、情報は錯綜(さくそう)しています。高市早苗首相は10日、メディアによる取材要請に応えず、強い警戒を呼んでいます。
自民党内からは「支持率の高さを背景に“今しかない”という戦略だろうが、『国民のために働いていく』と言ってきた首相自身の発言を曲げる自己都合解散と批判される。予算の成立が遅れ、国民生活に影響が出る」と不安の声も出されます。物価高の高進など、国民生活の窮状をよそに、党利党略最優先で予算審議と国政の諸課題を放り出す一方で、「高支持率」のもと、「今なら議席を回復できる」と、大軍拡と戦争国家づくり推進の基盤を固める危険な狙いもあります。
一方、深いところでは自民党政治の行き詰まりによる「追い込まれ解散」の動きという本質を見逃すことはできません。
自公政権は一昨年10月の総選挙につづき、昨年7月の参院選でも過半数割れ。高市氏の総裁選出後、自公協力も崩壊しました。その根本には30年にわたり経済成長が止まり、賃金が上がらず、そこを襲った物価高にも有効な対策を示せない自民党政治への国民の深い失望がありました。
いま「高支持率」の一方で、アベノミクスを継承する高市政権は、金融緩和の姿勢維持、国債頼みの放漫財政で「円安」を加速させ、いっそうの物価高を招いています。最低賃金引き上げ目標を投げ出し、労働時間規制をさらに緩和、消費税減税など主要な物価高対策には後ろ向きの一方、社会保障削減は目白押しです。早晩、高市失政による景気の悪化で「高支持率」が揺らぐとの観測は広くメディア、政界関係者や自民党内にも共有されています。
また、自らの「台湾有事」発言がもたらした日中関係の悪化は、軍事的緊張の激化と経済的悪影響を急速に広げています。
ベネズエラ侵略など暴走を強める米トランプ政権に無批判に追随する日米同盟絶対の姿勢は、国際法秩序や「力による現状変更を認めない」とした自らの言明にも矛盾し、国会論戦で行き詰まり、支持を落とすという不安も広がっています。
「高支持率」継続の見通しに不安が強まるもと、「今のうちに選挙に踏み切らないと苦しくなる」という政治的追い込まれが急速に深まってきました。この動きを攻勢的に受け止め、打ち破る必要があります。
失われた30年をどうするか、国民生活をどう立て直すか、米国言いなりの危険な大軍拡を許さず平和外交をどう進めるか―問われているのはこうした対抗軸と対案です。自民党政治と正面対決し、国政の大問題では異なる立場の人々、政党とも共同、協力を広げるけん引者としての役割を果たしてきた日本共産党の役割の発揮が今ほど求められるときはありません。

