日本とアジアの平和を脅かし、国民の暮らしを押しつぶす大軍拡を許さないたたかいは2026年、大きな正念場を迎えます。高市早苗政権が軍事費の大幅増などを狙い、安全保障環境の危機をあおって、「国家安全保障戦略」など安保3文書を改定しようとしているからです。
22年末に閣議決定された安保3文書は、憲法違反の敵基地攻撃能力の保有と、23年度からの5年間で43兆円もの軍事費をつぎ込むことを決めました。高市政権はこの大軍拡計画の4年目に当たる26年度予算案に史上最大の9兆円もの軍事費を計上しています。
■1人年17万円負担
3文書決定前の軍事費はGDP(国内総生産)の1%以下におおむね抑えられていました。しかし、3文書は軍事費と関連経費を合わせ、27年度にGDPの2%に倍増する目標も盛り込みました。
高市首相は25年秋の臨時国会の所信表明演説で、この目標を2年前倒して同年度中に達成し、26年に安保3文書を改定する考えを示しました。日本に軍事費のさらなる増額を迫るトランプ米大統領の来日が控えていたためです。
高市氏はトランプ氏との会談で軍事費増額を約束。その後、臨時国会で補正予算を成立させ、25年度当初予算と合わせ、軍事費と関連経費の総額を11兆円にし、GDP比2%を実現しました。これは「単純計算では国民1人当たり年9万円余の負担」(「東京」5日付社説)になります。
GDP比2%目標を達成しさらに軍拡を推進していくには口実が必要です。安保3文書の改定はそのためです。
トランプ政権は日本の軍事費をGDPの3・5%にまで引き上げるよう求めています。24年のGDP(速報値)で計算すれば3・5%は21兆円で、国民の負担は年17万円を超えることになります。
■問われる日米同盟
安保3文書改定に向け、殺傷兵器の全面的な輸出解禁や、「非核三原則」(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)の見直しが狙われているのも重大です。
自民・維新の与党は、輸出可能な兵器について救難・輸送など非殺傷目的の「5類型」に限っている現行指針の撤廃で合意しています。政府は3文書改定を待たず、4月にも撤廃に踏み切るとされています。そうなれば、戦闘機や戦車など殺傷兵器の輸出が自由にできます。国際紛争の助長につながり、日本を「死の商人国家」にするものです。
歴代政府が国是としてきた「非核三原則」の見直しも、世界の先頭に立って核廃絶を訴えるべき唯一の戦争被爆国として絶対に許されません。
今、日米同盟のあり方が根本から問われています。
高市氏は年明け2日のトランプ氏との電話会談で「日米同盟の新たな歴史を切りひらく1年」にすることを確認したと言います。その直後、米国は、ベネズエラに対し国連憲章・国際法蹂躙(じゅうりん)の武力攻撃に乗り出しました。
「米国第一」といって自分の利益のためには手段を選ばないトランプ政権に日米同盟絶対の立場から従い続けるのか。米国言いなり政治の転換が切実に求められています。

