【ワシントン=柴田菜央】トランプ米政権は6日、デンマーク自治領グリーンランドの領有に向け米軍の活用を含む選択肢を検討していると明らかにしました。ベネズエラ攻撃に続き、同盟国の領土の併合を進める意向を改めて示しました。
米メディアによると、レビット大統領報道官は声明で、「グリーンランドの獲得は米国の安全保障上の優先事項で、北極圏で敵を抑止するのにきわめて重要だ」と主張。「トランプ大統領とそのチームは、この重要な外交政策目標を追求するためにさまざまな選択肢を協議している。米軍の活用は常に選択肢の一つだ」と強調しました。
トランプ米大統領は、3日に南米ベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領らを拘束した直後から、石油、天然ガス、レアアース(希土類)など資源の豊富なグリーンランドについて、「絶対に必要だ」と発言し、併合への危惧があらためて高まっていました。
ミラー大統領次席補佐官は5日夜、CNNテレビに出演し、軍事介入の可能性について問われ、「グリーンランドの将来をめぐって米国と軍事的にたたかう国はない」と発言。軍事力行使自体を否定しませんでした。
ロイター通信は6日、米高官の話として、トランプ政権はデンマークからのグリーンランドの購入、グリーンランドとの自由連合協定締結などの選択肢を協議している、と報道。同高官は「外交は常に大統領の第一の選択肢だ」と述べました。
トランプ政権の動向に対し、国内の議員からは党派を超えて批判の声が上がっています。共和党のムーア下院議員と民主党のホイヤー下院議員は6日、共同声明を出し、「グリーンランドの併合をめぐる威嚇は不必要に危険だ」と表明。民主党のガエゴ上院議員はSNSで、「トランプ氏が思いつきでまた一つ国を侵略する前に、われわれは彼を止めなければならない」と訴え、グリーンランドの領有を阻止する決議案を提出する予定だと述べました。

