【ワシントン=柴田菜央】国連安全保障理事会は5日、米国が南米ベネズエラを侵略しマドゥロ大統領らを拘束したことを受けて緊急会合を開きました。米国の行為を国際法違反だと非難する声が相次ぎました。
会合には理事15カ国に加え、当事国ベネズエラや周辺諸国などが参加。ベネズエラのモンカダ国連大使は、米国の行為は「国連憲章の明白な違反」だと訴え、ベネズエラの主権だけでなく「国際法の信頼性、本機関の権威、いかなる国も世界秩序の裁判官や当事者、執行者となることはできないという原則の正当性も危険にさらされている」と指摘。「国家元首の誘拐や主権国家への爆撃、さらなる武力行使をするという公然のおどしが許容、軽視されれば、法は任意であり武力が国際関係の真の権威だという壊滅的なメッセージを世界に伝えることになる」と述べ、安保理に対し責任を果たすよう求めました。
ブラジルの代表は、米国の軍事行動は「容認できない一線を越えている」と批判。「こうした性質の行動を容認すれば、暴力、無秩序、多国間主義の衰退が際立つ筋書きを容赦なく引き起こし、国際法と国際機関の損害に通じるだろう」と述べました。
デンマークの代表は「麻薬対策は他のあらゆる取り組み同様に国際法に厳格に従って行われなければならない」と強調しました。
キューバの代表は「米国によるベネズエラへの軍事攻撃は一切正当化できない」と強調。米国の究極の目的は「麻薬密輸と戦うという誤った物語ではなくベネズエラの天然資源を支配することだ」と批判しました。
南アフリカの代表は「力に訴えることが正しいという信念が強まり、外交が弱まっている」と指摘。「主権国家への軍事侵攻は不安定さしかもたらさず危機を悪化させるということを歴史は繰り返し示してきた」と強調しました。
ウォルツ米国連大使は、米国の行為は「合法な起訴を推進するための法執行だ」などと正当化。マドゥロ氏について「非合法な『大統領』だ。国家元首ではない」などと主張しました。

