日本で暮らす外国人の数は395万人(2025年6月)、そのうち労働者は230万人(24年末)と、その姿はどこでも当たり前になりました。社会を共につくり、経済も社会保障も支える隣人、仲間です。外国人が増えると犯罪や不正が増えるといった言説は事実と異なり、不安や憎悪をあおるデマにほかなりません。モスク建設をとらえた最近のイスラム教徒に対するものなど、ヘイトスピーチやデモも許されません。
政府は、「外国人についても、基本的人権尊重及び国際協調主義を基本理念とする憲法の精神に照らし…基本的人権の享有が保障」されるとしてきました(国連への報告、01年)。生活の苦しさや不満の矛先を外国人に向ける政党・政治家の排外主義に厳しく対峙(たいじ)し、苦しみの真の根源である大企業と大資産家の優遇、格差拡大の政治を変える大きな連帯が必要です。
■人権保障の政策を
差別や分断、ヘイトの広がりの一方、それに反対する理性の声が各界であがり各地で集会などが開かれています。
全国知事会も昨年、「現実的な根拠と具体的な対策に基づく冷静な議論を進め、外国人の持つ文化的多様性を地域の活力や成長につなげることで、地域社会を共につくる一員として包摂し…すべての方が安心して暮らし、活躍することができる多文化共生社会」を創ると宣言しました。
高市早苗政権は排外主義とは一線を画すと釈明していますが、実際には「ルールを守らない外国人」と、個人ではなくことさら「外国人」と一くくりにし、取り締まりと排除中心の政策を連発し、偏見・差別をあおっています。
人権と労働の国際・国内のルールに背を向けてきたのは政府の側です。技能実習、留学生などの建前で外国人受け入れを進めてきましたが、実態は安価な労働力の利用です。労働者としての権利の保障が不可欠で、在留資格の種類を問わず家族帯同の許可、日本語教育の充実、子どもの教育など生活全般の相談所の整備などが急務です。
27年からの育成就労制度は、深刻な人権侵害をもたらした技能実習と大差なく、転籍の自由を明確に保障するなど根本的に見直すべきです。
■克服の根本的道は
文化や歴史の違う人たちが一緒に暮らせばトラブルもありえますが、対話・交流、相互理解で解決可能です。排外主義はそれを妨げ排除・敵対、分断をもたらし危険です。
同時に、排外主義の政党や候補に投票した人とも対話を進め生活苦への不満や怒りを共有する、原因は外国人ではなく自民党政治だと明らかにし、要求実現の運動を共にし、さらに政治変革をめざして取り組む―そこに排外主義克服の根本的な道があります。
ニューヨーク市長に就任した米民主的社会主義者のマムダニ氏は、トランプ大統領に投票した人々の声を聞くことから選挙運動を始め、「労働者階級を最優先する経済政策」を掲げ1年間の大規模な対話と宣伝で勝利しました。
日本共産党は、統一地方選を1年後に控え総選挙の可能性もある今年、欧米の経験も学び、奮闘します。

