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2026年1月4日

沖縄の今と未来ひらく

小池書記局長・比嘉県議×青年 座談会

 沖縄では、1月に名護市長選挙、秋には県知事選挙があります。日本共産党の小池晃書記局長と比嘉みずき県議、若者たちが沖縄の今と未来を語り合いました。(記事・松本眞志、大星史路 写真・山形将史)


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(写真)街の中心部を占める米軍普天間基地(左奥)など、県内の現状を説明する比嘉みずき県議(左端)と(右へ)諸見里樹さん、小池晃書記局長、瑞慶覧良太さん、(手前左から)福田結さん、呉屋ゆめさん=沖縄県宜野湾市の嘉数高台公園

 若者たちが次々に聞きたいこと、思っていることを話しました。座談会は、自己紹介から始まりました。(一部仮名)

 小池 今年は、沖縄にとってすごく大事な年になると思います。よろしくお願いします。

 諸見里樹(24) 民青同盟の県役員をしています。保育園で働いています。うるま市出身です。

 福田結(38) 職業は看護師です。今育休中なんです。子どもが3人います。滋賀県出身で、結婚を機に夫の出身地の沖縄に移り住みました。

 知念秀樹(24) 自治体の会計年度職員として働いています。住民の不満とかも割と聞こえてくる場所で、勉強になるなって思いながら働いています。マイナカードの問い合わせが多いです。やっぱり分かりづらいっていう人が多くて、そういう声がすごく聞こえてきますね。

 小池 民青で活動しているんですね?

 秀樹 政治に詳しくもなく選挙の投票するのは罪悪感があり、そういう時に社会のことを話せる場があると民青の人に声をかけられて、政治のことがわかるようになった。何より他の人たちと話し合う場ができたことはありがたいです。

 瑞慶覧良太(29) 私は労働組合で働いています。出身は那覇です。よろしくお願いします。

 呉屋ゆめ(28) 沖縄出身で、今は自治体の会計年度職員として働いています。その前は、大学卒業してからは中南米を放浪の旅をしていまして、現地の人の家にホームステイしながら、60家庭ぐらいに長くて2カ月ぐらい泊まらせてもらったりしながら、2年間過ごしてました。

 一同 すごい。

島ぐるみで声

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(写真)小池晃書記局長

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(写真)比嘉みずき県議

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(写真)呉屋ゆめさん

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(写真)福田結さん

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(写真)諸見里樹さん

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(写真)瑞慶覧良太さん

  私が沖縄に来た年に20歳の女性が米軍の軍属に殺された事件がありました。辺野古(米軍新基地建設)のことは知ってたけれど、沖縄って本当に暖かくて明るいリゾート地のイメージだったのが急に米軍の基地による弊害、安心安全に暮らすことが脅かされていることをすごく実感しました。警察が米兵を逮捕できない、ちゃんと捜査もできない。

 比嘉 相次ぐ女性への性暴力事件や、PFASによる飲料水の汚染、戦闘機の爆音など事件・事故が多発するなかで、全国知事会も含めて、いま米軍を特権的に扱う日米地位協定の抜本改定を求める時代になってきています。

  辺野古の新米軍基地建設に知事が反対し、前は名護市長も反対していて、反対の民意を示しているのに基地建設が進められてしまう。いま私たちはデニーさんを次の知事選挙で勝たせて民意を示したい。基地を止めるために他にすべはあるのかなと思っています。

 比嘉 こんなことがありました。訪米して、アメリカ連邦議会に辺野古の新基地建設の中止を求めたとき、米国の議員は沖縄の民意をすごく敏感に感じて、沖縄の動きに注目してることがわかりました。

 沖縄が島ぐるみで立ち上がり、全国も「沖縄を返せ」と連帯してくれたから本土復帰も実現できた。諦めずに声を上げ続ければ政治は変わると思います。

 小池 「オール沖縄」は、辺野古の米軍新基地建設は許さないと保守も革新も力を合わせ、知事選挙でも国政選挙でも勝利してきました。1月の名護市長選、秋の県知事選でも勝利しましょう。

民意を示し声上げ続ければ
万国津梁の歴史にならって

  本土からきた友だちが、2両編成のゆいレール(モノレール)を見てかわいいと言っていました。沖縄に鉄道がほしいんですよね。

真ん中に基地が

  本当に島の真ん中に基地があるから、道だったら通せそうなところが通せなくて。米軍基地を返還して、あの真ん中に鉄道をピッと通してほしい。北部に住んでいるので、子どもの学校とか将来の仕事とか考えると、車で行ける範囲とか、バスで行ける範囲となると本当に限られていて…。

 比嘉 米軍普天間基地のある宜野湾市では、救急車が基地を迂回(うかい)しないといけない。命に関わる問題です。デニー知事は南北縦貫鉄軌道の実現をめざしています。また、低所得世帯を対象に、バス・モノレールの通学費無償化を実現し、高校生から喜ばれています。バス賃稼ぐためにアルバイトしてるというアンケートをデニーさんが見て、「これはやらないと」と決断したんですよ。

 小池 名護市辺野古の大浦湾とその周辺は、素晴らしい自然環境で日本で初めてのホープスポット(希望の海)に認定されましたよね。米軍基地ではなく住民のために使うべきだし、経済効果も出ます。

 比嘉 辺野古は絶滅危惧種262種を含む5300種以上の生物が確認されています。そこに基地をつくる。

 小池 まさしく、冒涜(ぼうとく)ですね。辺野古の新基地建設は、全く完成の見込みのない工事ですが、半年間止まっていた工事が、名護市長選にぶつけるかのように昨年12月から砂くい打ちを再開しました。

 比嘉 名護市長選挙に向けて、県民にもう諦めろと。“声上げても無駄だ”という国のパフォーマンスだと思います。工事は2割も進んでいないのに、予算は8割近く使っています。

 小池 昨年のペースでは砂くい打ちに20年以上かかります。しかも、海面下90メートルある軟弱地盤の改良は技術的に70メートルまでしかできない。沈み続ける基地になってしまう。

 辺野古の基地は、米国政府も欠陥機と認めるオスプレイを移駐させるためのものです。欠陥機を飛ばすべきではないし、基地のたらい回しでは県民の苦しみをなくすことはできません。さらに、米軍の戦略が沖縄の島々に展開して相手の艦船をミサイルで攻撃するものに変わってきていて、この基地が沖縄に戦火を呼び込む出撃拠点になる危険があります。

 技術的にも政治的にも財政的にも完全に破綻しているこの新基地建設は、今年の知事選挙、名護市長選挙で決着をつけてやめさせなければなりません。

歴史を語り継ぐ

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 良太 小池さんに聞きたかったんですが、西田発言(※)など、沖縄の歴史を踏みにじったり軽視したりする動きや高市首相の「台湾有事」発言とかあって、不安になってきたのですが…。

 小池 西田氏はその後「不適切だった」と謝罪しましたが、同時に「日本軍が沖縄を守った」と開き直りました。しかし、日本軍は住民を守らず盾にした。ひめゆり学徒隊など多くの犠牲が出ました。日本の政治家が、沖縄戦の歴史に背を向けることは許されないと思います。

 比嘉 叔母もひめゆりの学徒でした。叔母が戦前のことを語るときは、淡々と事実だけを述べるんです。本当は語りたくない。生き残ってしまった負い目を抱えながら生きてきて、1980年代になって、ひめゆり資料館を立ち上げようという運動になっていって、やっと話せるようになった。西田議員のように歴史をねじ曲げようとする人たちが憲法を変えようとしていることにゾッとします。

隣国と関係構築

 ゆめ 隣国と仲良くする方法があるのかな。領土問題とかあって、例えば東アジアで共同体とか結んでも、その中で軍拡競争とかが起きたりしたら難しいなって思う。どうやったら隣国を信じられるようになるのかなっていうふうに思ったりしています。

 小池 私たちは、ASEAN(東南アジア諸国連合)に学ぼうと言っています。ASEANでは、年間1500回を超える会議をやって、信頼関係をつくり、この地域では戦争しないという安全保障の仕組みをつくりあげてきました。東アジアでも同じように、すべての国を包摂して地域の平和の枠組みをつくろうと呼びかけているのが、日本共産党の東アジア平和提言です。

 この点で、日本が東アジアの国々とまともな関係をつくれていない最大の原因は、侵略戦争と植民地支配をいまだに反省していないことです。日本の侵略戦争に命がけで反対した日本共産党は、このことを堂々と主張して、各国との信頼を広げます。さらに、そうした取り組みを広げていきたいし、その際に、アジアの国々との平和と交流の架け橋になる位置にあるのが沖縄なのではないでしょうか。

 比嘉 そうですね。沖縄は、琉球王国時代の万国津梁(しんりょう)(世界の架け橋)を掲げて交易を通じて栄えたという歴史もあります。外交を通じてお互いを知ることが信頼関係と平和をつくっていくというのを大切にしているのが「オール沖縄」の県政だと思います。

 ゆめ 東アジアで外交の取り組みを進めても、軍事力に差があると、バランスが保てるのか。沖縄にいると怖いなと思うのですが。

 小池 日本国憲法は、前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とうたっています。多くの人々の命を奪った戦争を反省し、軍事力に頼るのではなく、外交の力で平和をつくるということを誓ったものです。そして憲法9条で戦争を放棄する徹底した平和主義を掲げました。9条を持つ国として、徹底した外交努力で、絶対に戦争にさせないことが日本政府の役割です。ところが、高市首相の「台湾有事」発言は沖縄をはじめ日本中を危険にさらすもので、断じて許せません。いまの政治は「相手がミサイル配備しているから日本もミサイルが必要だ」と言いますが、憲法9条がないかのようなとんでもない議論です。

 ゆめ お金の無駄でもありますよね。

 小池 そうです。すでに日本の軍事費は文部科学省の予算の1・5倍以上になっていますし、アメリカが日本に要求しているGDP3・5%の軍事費になれば、21兆円。医療と介護と生活保護の三つに使っている国のお金18兆円を超えて、国民のいのちとくらしがズタズタにされてしまいます。

新NY市長誕生

  アメリカって大統領は今トランプだけど、ニューヨーク市長にゾーラン・マムダニさんが選ばれて、大きい変化がありそうですけど、どうなるんでしょうか。

 小池 とても面白い変化です。マムダニさんは「社会主義」を掲げています。アメリカの「民主的社会主義者」という組織(DSA)は若い人たちを中心に急速に大きくなっています。資本主義の「総本山」とも言えるアメリカで「社会主義」を掲げる団体が生まれ、広がっているのです。ニューヨーク市長選では、戸別訪問や電話かけに10万人のボランティアが参加して、1年前は支持率1%だったマムダニさんをついにニューヨーク市長に押し上げました。こうした変化は、日本でも必ず起こってくると思います。

 比嘉 マムダニさんは、ニューヨーク州議会議員だった2022年に、辺野古の米軍新基地建設の中止と危険な米軍普天間基地の閉鎖を求める公開書簡に署名していたんですよね。おおっと思いました。

 小池 沖縄のみなさんの合言葉は、「勝つ方法は諦めないこと」。諦めないで声をあげていきましょう。沖縄の方の苦しみの根源には日米安保条約があり、その廃棄を一貫して求めている日本共産党の党員や「しんぶん赤旗」の読者を、沖縄でもっともっと増やしたいですね。

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「京都の塔」

 小池晃書記局長と比嘉みずき県議は、米軍普天間基地が見える嘉数(かかず)高台公園の展望台で対談した若者たちとさらに語り合いました。比嘉県議が米軍基地と周辺地域への影響について説明しました。

 嘉数高台は1945年4月の沖縄戦の激戦地です。日本軍が使用したトーチカ(コンクリート製の防御陣地)があり、今も残る弾痕が当時の戦闘の激しさを物語っています。

 展望台付近には、戦闘で亡くなった京都出身の兵士2500人余を追悼する「京都の塔」があります。碑文を書いたのは蜷川(にながわ)虎三元京都府知事で、京都出身兵への追悼とともに、多くの沖縄住民への「哀惜」が述べられ、二度と再び戦争の悲しみを繰り返さない決意が刻まれています。小池氏は塔の前に立ち、「それなのに京都選出の西田氏が、歴史をゆがめる発言を行ったことは許されない」と改めて語りました。

 沖縄の米軍基地 沖縄県には日本国内の米軍基地(米軍専用施設)のうち、約7割が集中しています。県の人口の9割が居住する沖縄本島の面積の15%は米軍基地です。その規模は、東京23区のうち13区を覆ってしまうほどの広さです。

 「西田発言」 自民党の西田昌司参院議員は昨年5月3日、ひめゆりの塔の展示説明にふれて「日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆり隊が死ぬことになった」と展示にないことを述べたうえ、「日本軍は沖縄を守りに行った」と事実をゆがめた歴史観を主張しました。