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2026年1月3日

きょうの潮流

 馬がいなかったら人類史はどうなっていたでしょう。フランスのゲノム研究者リュドヴィク・オルランドは著書『馬の科学と世界の歴史』で「私たちのかたわらにそれがいるようになると、世界の歴史は一変した」といいます▼人類は世界を探検し、異文化と交わり、取引するようになりました。言葉、文化、病原菌はかつてない速さで広まり、「歴史上初めてグローバル化したのである」と▼馬が家畜となったのは4200年前、ロシア民謡で知られるヴォルガ川とドン川の下流域であることがDNA解析で判明しました。従順で頑強な最初の家畜馬DOM2の子孫は、数世紀で欧州や東アジアまで広がりました。馬は移動と輸送の主要な手段となり、経済の重要な担い手に▼16世紀まで馬はポニーサイズでした。体高約160センチのサラブレッドに比べ、日本にいる在来馬は120~140センチほど。大河ドラマで出てくる戦国武将の馬も実はポニーサイズでした▼日清戦争以降、戦場に送られた馬は100万頭とも言われています。家族同然の農耕馬を泣く泣く供出し、帰ってくることはなかった…▼日本の在来馬は現在、北海道和種、木曽馬など8種おり、文化財として保護・育成されています。その一種の与那国馬も保存活動によって120頭ほどに。祖先はモンゴルから中国を経て、海を渡って琉球へ。農耕で観光で、長年、島の人々を支えてきました。与那国馬たちが牧草を食(は)む風景は平和の象徴そのもの。なんとしても守りたい光景です。