朝焼けが暗闇を染めていく。波間を照らす陽光。ここ辺野古の浜では元旦に「初興し(ハチウクシー)」が開かれます。新年を祝いながら、「二度と沖縄を戦場にさせない」決意を新たにして▼名護市長選が目前に迫る今年は思いもいっそうです。米軍新基地の建設を止めよう、名護市民の命とくらしを守ろう。その願いを託せるおながクミコさんをなんとしても勝たせようと、世代をこえた支援がひろがっています▼自然豊かな名護で生まれ育った比嘉星怜(ひが・せいら)さん(23)は環境破壊に心を痛めています。観光客誘致のために、慣れ親しんだ風景が変わっていく。「開発ばかりに目がいくと、そこにある本当の価値が薄れていくような気がする」。ここでくらす人びとに目を向けた市政への転換を求めています▼「現市長の基地建設を容認する態度と街づくりはつながっている」。名護に住んで長く平和活動にとりくんできた上野郁子さんは訴えます。児童センターなど生活に欠かせない施設を大型開発で壊している。住民ではなく国の方向を見ているから万事そうなる、と▼共産党の吉居俊平・名護市議も地域の実情を顧みない市政を批判します。「もうけているのは外の観光企業だけ。市民の生活はいっこうに豊かにならず、商店街も寂れている。クミコさんは地産地消をおしだし、基地反対もその一環」▼沖縄の問題は日本全体が抱える問題。私たち自身が平和の砦(とりで)となるようがんばりたいという高校生も。名護と沖縄、そして日本の新しい年を開くたたかいです。
2026年1月1日

