物価高騰に苦しむ国民をよそに、日本共産党を除く政党が国民の税金を原資とする政党助成金を分け合っています。麻生太郎・自民党副総裁(衆院福岡8区)の2860万円など、高市早苗政権の中枢や「維新」役員が、党本部から受け取った政党助成金を使い残して、国庫に返納せず「基金」としてため込んでいる実態がわかりました。
2024年の政党交付金使途等報告書(9月26日公表)で調べたもの。
政党助成金の原資は、国民1人あたり250円の税金です。同年、315億3700万円が、日本共産党を除く各党に議席数などに応じて分配されました。自民党は156億5100万円、維新は33億6400万円を受け取り、それぞれ各国会議員が支部長を務める政党支部に自民党は3100万円、維新は910万円(一部に例外あり)を交付しました。
この政党助成金をどう使ったのかを報告するのが「使途等報告書」。余ったら国に返すのが常識ですが「基金」の名目で積み立て翌年に繰り越すことを可能としているため、“返納逃れ”が横行しています。
高市政権の閣僚、自民党執行部などの政権中枢、維新の役員が支部長を務める各政党支部の「使途等報告書」を調べたところ、300万円以上を「基金」としてため込んだ議員がズラリ。(表参照)
麻生副総裁は前年より650万円以上、ため込み額を増やしていました。小泉進次郎防衛相(衆院神奈川11区)、赤間二郎国家公安委員長(同14区)、林芳正総務相(衆院山口3区)の3閣僚、不記載額306万円の裏金議員でもある佐藤啓官房副長官(参院奈良)は1000万円を超えるため込み。
維新は、梅村聡税調会長(衆院大阪5区)が803万円、浅田均・維新政治塾名誉塾長(参院大阪)が450万円などでした。
高市首相と維新の吉村洋文代表は来年の通常国会での衆院議員定数削減法案の実現を目指すことで合意しましたが、仮に50議席減らしてもその額は35~40億円程度。使い残してため込んだり、維新・藤田文武共同代表らの公金還流疑惑はもとより、スナックなどでの会合への支出など、問題山積の政党助成金の廃止こそ「政治改革」として進める課題では―。
(藤沢忠明)

