日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2025年12月31日

「ベネズエラの港湾施設攻撃」

米トランプ氏表明
初の地上攻撃か

 【ワシントン=洞口昇幸】トランプ米大統領は29日、南米ベネズエラの港湾施設を攻撃したと表明しました。トランプ氏は詳細を明らかにしませんでしたが、CNNテレビは情報筋の話として、今月初旬に米中央情報局(CIA)がドローン攻撃を実行したと報じました。死傷者は出なかったと伝えています。

 今回の攻撃は、米国によるベネズエラに対する初めての地上攻撃の可能性があります。CNNテレビは「攻撃は緊張を著しく激化させる可能性がある」と指摘しました。

 トランプ氏は同日、南部フロリダ州で記者団に対し、ベネズエラ国内の「船に麻薬を積み込むドック(船着き場)がある区域で、大爆発があった」「われわれは全ての船を攻撃する。今回はその区域を攻撃した」と述べました。

 地域や標的についてトランプ氏は具体的には説明せず、対外的な特殊作戦を担うCIAによる攻撃だったのかとの質問にも、「言いたくない。明らかにしたくない」と、回答を拒否しました。ロイター通信によると、ベネズエラ側の発表や同国内の報道でも攻撃があったかは明らかになっていません。

 トランプ政権は、ベネズエラのマドゥロ政権の打倒を目指し、軍事的圧力を強めるとともに、CIAの秘密作戦にも許可を与えてきました。米国への麻薬流入阻止を掲げて、マドゥロ大統領を麻薬組織のリーダーと見なし、ベネズエラ沖で、「麻薬密輸船」とする船舶への攻撃、石油タンカーの拿捕(だほ)、海上封鎖などを行っています。

 トランプ政権はベネズエラの石油資源などを確保する野心も示しています。同政権の「砲艦外交」に対しては、米国内外から国際法違反や戦争行為だと非難する声が上がっています。